土石流 静岡県副知事「行政にも責任」 詳細な技術基準明記言及

 熱海市伊豆山の土石流に関して、難波喬司副知事は3日の静岡新聞社のインタビューで、一部の被災者が県や市に損害賠償を求める意向があることに「不適切な盛り土が残っていた事実は変わらない」と述べ、是正できなかった行政にも責任の一端があるとの認識を改めて示した。改正する土採取等規制条例に安全性が確保できる技術基準を盛り込む考えも示した。
 ―損害賠償を請求する意向を示した被災者が盛り土について説明を求めている。
 「不適切な盛り土が残っていたのだから、責任の程度や内容は別として、行政にも責任があるのは確かだろう。県としては原因究明をしっかり進める。説明してほしいという声があるのならやらないといけないと思うが、まずは市の意向を尊重したい」
 ―検証の見通しは。
 「書類の確認を進めている。3カ月をめどに全部洗い出し、そこから関係者への聞き取りを行い、時系列で事実確認を進める。結構な期間を要すると考えている」
 ―改正する条例の実効性をどう持たせていくか。
 「現行条例の技術基準は不十分だ。15メートル以上の盛り土を想定していないような書きっぷりになっている。排水施設の基準も大雨の期間が短期、中期、長期を想定したような設計になっていない。雨量が想定を超えた場合の対応も必要。安全を確保できる設計思想を反映させる」

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞