未来都市整備徐々に拡大 裾野、産学官組織設立1年

 裾野市に建設されるトヨタ自動車の未来都市「ウーブン・シティ」と連動し、デジタル技術を活用して地域課題の解決を図る同市の産学官組織「SDCCコンソーシアム」が、設立から1年を迎えた。ドローンや人工知能(AI)など先端技術を使ったサービスや実証実験の展開が広がりをみせている。今後は取り組みの効果を市民に実感させられるかが課題になる。

SDCCコンソーシアムの設立1年を記念したウェブ会議に参加する裾野市の関係者=同市役所
SDCCコンソーシアムの設立1年を記念したウェブ会議に参加する裾野市の関係者=同市役所

 コンソーシアムは、ウーブン・シティと連動したまちづくりを目指すSDCC構想の具現化に向け、昨年7月に発足した。現在、78の企業・団体が参画する。これまでに、AIが衛星写真から耕作放棄地を判別する実証実験や、農薬散布用ドローンの試験導入などに取りかかった。7月上旬の大雨の際には、避難所の混雑状況をネット上で可視化するシステムを初運用した。
 設立1年を記念したウェブ会議を同29日に開催した。参画企業がドローンによる医薬品配送や市独自のピクトグラム開発などに意欲を示した一方、市民に取り組みの意義や効果を理解してもらえる取り組みの必要性を指摘する意見もあった。市みらい政策課の担当者は「行政目線だった構想を市民目線にアップデートしたい」と強調した。
 高村謙二市長は「1年目は参画企業との関係づくりや調整の時間が必要だった。今後は取り組みの具体化を加速させ、市民に分かりやすく伝えたい」と述べた。
 (東部総局・八木敬介)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞