五輪卓球女子シングルス・伊藤「銅」 山梨有理さん(沼津市、全日本ジュニアコーチ)が振り返る

 元卓球女子日本代表の山梨有理さん(沼津市在住)が、7月29日に卓球女子シングルスで銅メダルを獲得した伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)の準決勝、3位決定戦の戦いぶりを振り返った。

リオデジャネイロ五輪後に女子団体銅メダルを手にした伊藤(右)と記念撮影する山梨さん
リオデジャネイロ五輪後に女子団体銅メダルを手にした伊藤(右)と記念撮影する山梨さん
山梨有理さん
山梨有理さん
リオデジャネイロ五輪後に女子団体銅メダルを手にした伊藤(右)と記念撮影する山梨さん
山梨有理さん


 ■準決勝 孫の「伊藤対策」伝わる
 準決勝の伊藤の相手は世界ランク3位の孫穎莎(中国)。伊藤は前陣での高速ラリー、孫は中陣に下がりダイナミックなドライブで戦う選手だ。第1ゲーム1本目から孫の気迫あふれるプレーに押され、得意のバックハンドがなかなかネットを越えなかった。
 勝敗を分けたのが第2ゲーム、9-3のリードから逆転された。序盤は伊藤のサービス、レシーブが効き出し、戦術が冴えた。流れは伊藤だったが、少し1点を取り急いでいるように感じた。松崎コーチがタイムアウトを取り、試合の流れを変えようとしたが、タイムアウト後に孫はとんでもない集中力でラリーを制した。伊藤の表情は「このボールも返ってくるのか」と言わんばかりだった。
 第3、4ゲームは孫の重いドライブボールに対し、伊藤は得意のバックハンドで好戦するが、なかなか1点が取れない。孫が伊藤に対し研究、対策をしてきたことが非常に伝わる試合だった。

 ■3決 最後の一球まで攻めた
 3位決定戦の相手はシンガポールのユ・モンユ。第1ゲームはユのラリー力が爆発し、終盤一気に得点される。下回転の強いツッツキにも苦しめられ、伊藤の持ち味のスマッシュがなかなか入らない。第2ゲームもサービスポイントを重ねるが、点差が開かず苦しい展開が続いた。しかし9-8でのレシーブ時に表ソフトラバーでのチキータで攻めた。この緊張した場面で難しい技術で攻められたことが勝因と思った。
 第3ゲームは5-7から6連続ポイント。終盤の集中力は勝利に懸ける執念を感じた。第4ゲームはユの両ハンドドライブを封じるために、ミドルコースを集中的に狙う戦術が目立ち、第5ゲームは最後の一球まで守ることなく攻め続けた。
 団体戦は戦う選手、応援する選手、それぞれの役割がありチーム一丸でなければならない。打倒中国、金メダルを目指して頑張ってほしい。

 やまなし・ゆり 1987年、静岡市清水区生まれ。沼津門池中2年時に仙台育英秀光中に転校。仙台育英高では全国総体団体、ダブルス優勝。シングルス準優勝。淑徳大を経て十六銀行、日立化成でプレー。2010年萩村杯ジャパンオープンダブルス優勝。11年世界選手権代表。18年に富士市に卓球スクールREGAL開校。全日本ジュニアコーチ。沼津市在住。

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