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どうするのが正解?外出先での月経カップの処理方法【NEXT特捜隊】

 「月経カップの外出先での処理、皆さんはどうしているのでしょう」

月経カップ。奥は消毒用の専用カップ
月経カップ。奥は消毒用の専用カップ
産婦人科医の入駒麻希さん=聖隷健康診断センター、聖隷浜松病院勤務=
産婦人科医の入駒麻希さん=聖隷健康診断センター、聖隷浜松病院勤務=
月経カップ。奥は消毒用の専用カップ
産婦人科医の入駒麻希さん=聖隷健康診断センター、聖隷浜松病院勤務=

 読者の身近な疑問に答える静岡新聞社「NEXT特捜隊(N特)」にある女性から問い掛けが寄せられた。
 月経カップは、近年話題になっている生理用品。膣(ちつ)の中に鈴状の医療用シリコンカップを挿入し、経血を受け止める。
 疑問を寄せてくれた女性は、ネット上で月経カップの使用体験談を読んだ。「外出時に月経カップを取り出した時は、経血をトイレに流し、洗面台で洗っている」。そんな記述に出くわし、抵抗を覚えたという。新型コロナの流行拡大で、感染症対策が重要視された昨今。不特定多数が使用する洗面台で、血液が付着したものを洗うことには、記者も確かに抵抗感がある。
 実際に使用されている人たちはどのように処理をしているのだろう―。N特と静岡新聞社「こちら女性編集室」のLINEでつながる読者に問いかけた。
 40代の看護師の女性は、レンジで煮沸消毒したものを朝装着し、昼休みに一度取り出して経血をトイレに流す。カップはトイレットペーパーで軽く拭いて再装着するという。赤ちゃんのお尻ふきで拭いてから体内に戻すという人もいた。半日程度は入れたままでも経血が漏れる心配がないので、外出先で処理をしたことがないという回答もあった。
 一度体の外に出したものを再度装着しても健康上問題はないのだろうか。産婦人科医の入駒麻希さん=聖隷健康診断センター、聖隷浜松病院勤務=に尋ねた。入駒さんは「再装着に洗浄は必須ではない。自分の体内にあったものをすぐに戻すので過剰に神経質にならなくても大丈夫」と話す。赤ちゃん用お尻ふきで月経カップを拭き上げるのは、消毒もできて効果的という。その際、アルコール成分の入ったウェットティッシュなどは、体内に刺激を与える可能性があるので使用は避けるべきとのこと。再装着するのに抵抗がある場合には、月経カップを複数携帯し、交換することも勧めてくれた。
 入駒さんは「使い慣れると生理を忘れるほど快適なので、生理グッズの候補の一つに考えてみてほしい」と話した。

 ■初の国産は2017年 認知度徐々に向上
 女性が抱える健康課題を最新技術を生かして解決する商品やサービスを指す、「フェムテック」という言葉が注目を集めている。Female(女性)とTechnlogy(技術)を組み合わせた造語で、生理日程管理アプリが代表格だ。最近では、アパレルブランド「ジーユー(GU)」を展開するファーストリテイリングが、ナプキンのいらない吸水機能付きショーツを発売した。
 ナプキン、タンポンに次ぐ「第三の生理用品」とも呼ばれる月経カップもフェムテックの一つと言われている。欧米では普及しているが日本での認知度はまだ低い。2010年代半ばから、欧米の製品が日本でもインターネットを通じて手に入るようになった。
 2017年には初の日本製カップ「ローズカップ」が発売された。開発した佐賀県の企業「イマリ」は、社長が海外の知人から月経カップの存在を聞き、開発を始めたという。原材料は全て日本製。日本人女性の体に合わせて少し小さめに作ったという。担当の芳野朋美さん(47)によると「女性ならではの生理の悩みを少しでも軽減したい」との思いを込めて開発したという。現在はインターネット販売が中心だが、最近は実店舗での販売も増えてきた。「月経カップの認知が広がれば、もう少し気軽に使ってもらえるかもしれない」と今後の展望を話した。

 ■メリットは?どう選んだら? 専門家に聞く
 月経カップに興味はあるが、何となく不安がある―。そんな思いを抱える人も多いのではないだろうか。月経カップを実際に使っている産婦人科医の入駒麻希さん=聖隷健康診断センター、聖隷浜松病院勤務=に聞いた。
 ―月経カップのメリットは。
「ナプキンを取り替える煩雑さや特有のにおいから解放され、生理中の活動の幅が広がる。スポーツ選手なども愛用者が多い。コスト面で言えば初期投資はかかるが、長い目で見ればナプキンよりも費用を抑えられる。緊急時や災害時にも、繰り返し使えるため便利。自分の経血量を客観的に把握でき、健康状態を確認できるのもメリットの一つ」
 ―月経カップを選ぶ基準は。
「多くの月経カップはSサイズとMサイズがある。大まかに分けると経膣分娩の経験がない人はS、ある人はM。最初はSサイズを使って、慣れたらMサイズに変えたり、経血量の多い日はMサイズにしたり自分に合わせた使い方もできる」
 ―もしも出てこなくなってしまったら。
「落ち着いて普段通り過ごしていれば下に降りてくることが多い。どうしても出てこなければ、無理せず婦人科を受診して」
 ―注意することは。
「月経カップに付いている説明書通りに使い、装着可能時間を超えないように」

 ■気になる使い方は
 使用前後に滅菌消毒する。最近はレンジで煮沸消毒できる専用カップなども販売されている。ほ乳瓶の消毒液を使っても良いという。細く折りたたんで膣内に挿入し、中で開く。装着可能時間はメーカーにより異なるが最長12時間ほど。取り出すときは月経カップの先端をつまんで軽く引っ張る。密着して出しづらい時は、少しカップを折り、空気を通すようにする。カップにたまった経血は、トイレに流すなどして処理する。
 (TEAM NEXT編集委員・石岡美来)
 

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