土砂の大半、盛り土に類似 熱海土石流、静岡県調査で判明

 熱海市伊豆山の土石流災害で、静岡県は27日、逢初(あいぞめ)川の中下流域に堆積した土砂が、土石流起点付近で崩落した盛り土に近い成分だったとする土質調査結果(速報)を発表した。県庁で記者会見した難波喬司副知事は「流れ下った土砂の大部分が盛り土だと裏付けられた」との見解を示した。
 県は9、10日に起点付近の4カ所と中下流域の4カ所で土砂を採取した。物理試験や顕微鏡の観察で土の粒子の大きさや密度などを分析し、エックス線で元素の種類も調べた。
 土砂に含まれるカルシウムの割合を比べると、盛り土が残ったとみられる崩落部南東側(黒色の土砂)が8・3%、地山とみられる崩落部北側(黄土色の土砂)は0・4%で大きく異なった。このため、盛り土の土砂は他地域から持ち込まれたとみられるという。
 逢初川河口付近は7・4%、その800メートル上流は6・9%で、盛り土とみられる箇所と成分は近かった。
 県は今後、土砂に有害物質が含まれているかなども調べ、調査結果はホームページで順次公表する。地質学者らの意見を募り、盛り土の土砂がどの地域で採取されたのかの推定に役立てるという。

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