地域再建へ住民一歩 民家の一角 岸谷町内会の拠点開設 熱海・伊豆山

 熱海市伊豆山の土石流災害で集会所が押し流される被害に遭った岸谷町内会が25日、地区内の民家の一角を借りて仮設の集会所を開設した。まだ避難所に滞在を余儀なくされている住民も多いが、地域コミュニティー再建へ一歩を踏み出した。

本格的な活動開始に向け打ち合わせをする住民=熱海市伊豆山
本格的な活動開始に向け打ち合わせをする住民=熱海市伊豆山

 「(接近が予想される)台風8号が来た場合の避難はどうしよう」「交通の足になるタクシーの利用方法を知らせるチラシを配ろう」。同日行われた打ち合わせでは、集まった住民約10人が当面の地域課題について話し合い、運び込んだ非常食や飲料を確認した。
 災害発生前、集会所は定例の会合などで使用し、町内会の活動拠点となっていた。場所は土石流が流れ下った逢初(あいぞめ)川のそばで、建物はすべて流失したとみられる。町内では捜索活動が続き、広範囲で立ち入りが制限されている。住民の間で、情報共有や交流の場が必要となっていた。
 同町内会の当摩達夫会長(75)は「今後は帰宅する住民も徐々に増えてくる。集会所を拠点に少しずつ復興を進めたい」と語った。
 (浜松総局・草茅出)

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