ウナギ「お手頃」遠く...「土用の丑の日」前に流通ピーク 稚魚取引値下落も 巣ごもり需要で品薄

 28日の「土用の丑(うし)の日」を前に、ウナギの流通が最盛期を迎えている。ビタミンなど栄養豊富なウナギを食べて猛暑を乗り切りたいところだが、気になるのは高騰している値段。養殖に使う稚魚の取引価格が下がる中、コロナ禍の巣ごもり需要などでウナギ人気が高まり、県内でも消費者が期待するような値下げの動きは広がっていない。

出荷される新仔ウナギ。「土用の丑の日」を前に、流通は最盛期を迎えている=6月中旬、浜松市西区
出荷される新仔ウナギ。「土用の丑の日」を前に、流通は最盛期を迎えている=6月中旬、浜松市西区

 水産庁によると、ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」の2021年漁期の平均取引価格は1キロ当たり132万円。過去最高だった3年前の299万円から半値以下になった。土用の丑の日に向けた国産の新仔(しんこ)ウナギの出荷価格は現在、1キロ当たり3700円前後で、3年前の同5800円から36%安くなっている。
 ただ、国内の多くのかば焼き専門店は大幅な値下げに踏み切っていない。ウナギの成魚は約200グラムのため、1匹当たりの値下げ幅は3年間で400円ほど。浜松市中区の男性経営者は「稚魚の好漁はここ2年の話。中長期的に水揚げが安定しないと、価格には反映できない」と説明する。外食需要の低迷に伴う経営環境の悪化も、大幅な値下げに踏み切れない一因になっているとみられる。
 稚魚の豊漁を受け、昨夏から下落傾向にあった外国産のかば焼きは値上げに転じた。日本鰻輸入組合(東京)によると、7月の中国産かば焼きの卸価格は前年同期に比べて約3割高い。冷凍保存も可能なウナギのかば焼きは巣ごもり需要に最適で、家庭の消費が伸びているという。
 総務省の20年家計調査(2人以上の世帯)によると、ウナギかば焼きの平均支出額は前年より500円以上増えて2686円だった。県西部のスーパーの仕入れ担当者は「取引価格は例年並みの水準に戻った。土用の丑の日商戦に向け、品薄感も出ている」と話す。
 (浜松総局・杉山諭)

 

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