東京五輪、医療体制も臨戦 観客入れ開催の静岡県内「成功助けたい」

 東京五輪の開幕を目前に控え、自転車競技を観客入りで開く本県では、選手や関係者、観客に対応した医療体制の構築が進められている。今大会は新型コロナウイルス感染症の対応も加わって医療関係者の負担が増す中、地域住民に向けた医療の提供体制も維持した上で本番を迎える。

競技会場や選手村分村での業務に向けて打ち合わせをする医師ら=17日、伊豆の国市の順天堂大静岡病院(同病院提供)
競技会場や選手村分村での業務に向けて打ち合わせをする医師ら=17日、伊豆の国市の順天堂大静岡病院(同病院提供)

 新型コロナの感染防止策として、選手やコーチら関係者は毎日、検査を受け、行動範囲は宿泊先や練習会場などに限定される「バブル」方式を採用する。観客は競技会場出入り口で検温し、発熱があれば入場できない。マウンテンバイク(MTB)を行う伊豆MTBコース=伊豆市=とトラック種目を行う伊豆ベロドローム=同=の医療責任者を務める順天堂大静岡病院救命救急センター長の柳川洋一医師(58)は「感染防止策を徹底すれば、陽性者の発生率は低いだろう」と見通す。
 仮に選手や関係者が検査で陽性となった場合、一般の市民と同様に保健所が入院、療養先を指定する。ただ、無症状で入院の必要がない場合は「伊豆市の選手村分村で待機してもらうなど、他施設に影響を及ぼさないようにしたい」(東部保健所)という。
 新型コロナの他に懸念されるのが、屋外競技での熱中症患者の発生だ。コロナと同じ発熱症状を伴うため、柳川医師は「コロナを疑って対応する必要があり、労力がかかる」と打ち明ける。ロードレースのゴール地点となる富士スピードウェイ(小山町)を医療圏とする御殿場市医師会は、市救急医療センターの医師や看護師を増員して備える。
 伊豆市と小山町の各競技会場には選手と観客を区別した医務室が設けられ、地域の勤務医や看護師が中心となって対応する。順天堂大静岡病院は選手村分村にも24時間態勢でスタッフを配置する。
 市民へのコロナワクチンの接種も並行し、医療者は“フル稼働”で五輪期間を迎える。医務室への医師派遣や発熱外来での選手の診察などを担う富士病院(御殿場市)を運営する有隣厚生会の鈴木克行法人局長(64)は「職員も大会を応援したい気持ちはある。成功に寄与したい」と心意気を示す。

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