知事 静岡県条例の不備認める 早期改正で盛り土規制を強化方針
川勝平太知事は19日の県議会6月定例会で、熱海市の大規模土石流で被害を拡大させたとされる盛り土の崩落を踏まえ、県土採取等規制条例による盛り土の規制が十分でなかったと認め、規制を強化するため条例の改正手続きに早期に取り組む考えを示した。自民改革会議の西原明美氏(藤枝市)の代表質問に対する答弁。
同条例は、行政による計画変更や工事停止の命令に業者が従わない場合の罰則が「罰金20万円以下」で、命令の実効性が低いとする見方がある。川勝知事は「現在の条例は十分なものでなかった」と不備を認め、「実態に即して条例がより厳しくなるよう、改正の手続きを速やかに進める」と強調した。
届け出の3倍を超える高さにかさ上げされた条例違反の盛り土を県や市が是正できなかった責任については「事実関係が明らかになった段階で情報を全て公開し、第三者による検証を行う予定だ。検証の結果、行政側の危険性の認識や対応についても明らかになる」と応じた。
盛り土崩落の原因究明を進める難波喬司副知事は「現場が指導しても(違反業者が)従わない場合も含め、足りない部分については国とも連携しつつ法令から現場までシステム全体を考えることが必要だ」と答弁。再発防止には条例改正だけでは不十分との認識を示し、記録的な積算雨量を踏まえて盛り土の技術的基準の見直しにも言及した。