テーマ : 熱海市

熱海土石流で犠牲の石田さん リハビリで歩行回復も無念

 熱海市伊豆山で発生した土石流で被災し、市が14日に死亡を確認したと発表した石田明さん(69)。介護や医療などの面で石田さんの世話をしていた女性(64)=同市=は「足が不自由であまり出歩かない方だったけど、何とか逃げてくれていれば」と祈り続けた。だが、願いは届かなかった。
 女性によると、石田さんは2年ほど前に伊豆山に移り住み、アパートで1人暮らしをしていた。アルコールの摂取量が多いことなどから体調を崩してほとんど歩けない状態になり、引きこもりがちだったという。
 女性は石田さんに強く働き掛け、今春から2カ月間ほどリハビリのため入院することになった。6月に退院した石田さんから「ちゃんと歩けるようになった。ありがとう」と報告があり、女性は「よく頑張ったね。ここから生活を立て直していこう」と返した。
 伊豆山に移住するまでは伊東市に住んでいた石田さん。川奈港で友人と釣りをするのが趣味で「とても楽しい時間だった」と笑顔で語っていたという。
 「また趣味を見つけてほしかった。再び前を向き始めた時期だったのに」。女性は、希望が見えた直後の悲劇に声を落とした。

いい茶0

熱海市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞