リニア工事「影響多岐」 静岡地裁 口頭弁論 差し止め求め原告主張

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、大井川流域の住民らがJR東海に県内区間(10・7キロ)の工事差し止めを求めた訴訟の第3回口頭弁論が9日、静岡地裁(増田吉則裁判長)であった。原告側はリニア工事の大井川流域への影響について「河川流量の問題にとどまらず、水質汚濁や地下水脈のかく乱など多岐にわたる」と訴えた。
 JR側が「原告らの主張は誤りか根拠がない」としている点について、原告側は「必要な調査を行っていないにもかかわらず、大井川の水への影響はないとの被告の主張こそが根拠を欠く」と反論。リニア工事によって発生土の処理問題や水質汚濁、山体崩壊などさまざまな懸念が生じると指摘して「リニア事業がもたらす弊害は多大で、それを上回る公益性はない」とした。
 次回は10月8日。

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