盛り土業者に再三指導 熱海市長「強制力弱い」 熱海・土石流

 熱海市の斉藤栄市長は8日、同市伊豆山で発生した大規模な土石流の最上部で崩落した盛り土を当時施工した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)が、法令に基づく届け出の未提出などがあった上、再三にわたり市の指導に応じていなかったことを明らかにした。斉藤市長は「法律に強制力がないことが根本的な問題」と指摘し、政府に改善を求めた。
 市は盛り土について、同社が工期を守っていないとして、2010年9月に土砂搬入の中止を指導した。同社が応じなかったため、10月にも再び土砂搬入の中止を指導したとする。同社は従わないまま、11年2月に現所有者に土地を転売した。
 斉藤市長は「(法令に基づく)命令を出すべきだったかもしれないが、強制力が弱い」と指摘。国土交通、農林水産、経済産業、環境と所管が多くの省庁にまたがっていることも問題点に挙げ、「再発防止のため法令をどうすべきか、盛り土の問題を政府全体でしっかり考えてほしい」と訴えた。

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