脱着自動加工機 小沢精密工業(浜松市浜北区) 効率化重視の機材導入【静岡ものづくり最前線】
浜松市内に3カ所あった工場を昨秋、浜北区染地台に移転・集約し、削り工程の金属部品を自動で脱着する加工機を本格的に導入。一度に十数個から100個以上の部品をセットしておける。従来は手作業だった脱着にかかる時間を大幅に短縮でき、従業員の残業は平均7割減らすことができた。

主に管楽器や医療・検査機器などの金属部品加工を手掛ける。2013年10月に3代目社長に就任した小沢大祐氏は、仕事の効率化と、清潔感のある職場環境づくりに努めてきた。工場集約により、社内間の連絡の手間を省略。常には使わない機材も過不足なくそろえた。脱着自動加工機は、高い能力の求められない作業を30分や1時間に1度しなければならないという非効率さを改善しようと導入した。部品を終業前にセットして、夜通し稼働させることも可能になった。
削り工程で出る微粒子を、箱形の削りの機械内で吸い取って外に出さないようにするミストコレクターも全機に取り入れた。小沢社長は新入社員研修にも注力していて「注文そのものの減少より、人がいなくなって注文が受けられなくなることこそがリスク。特に若手社員の定着を図りたい」と話す。
企業情報 浜松市浜北区染地台6の11の10。1982年設立。ヤマハと浜松ホトニクスが主な取引先。従業員85人。