人気沸騰メロディオン 60周年で限定色発売 鈴木楽器製作所
教育楽器などを手掛ける鈴木楽器製作所(浜松市中区)は鍵盤ハーモニカ「メロディオン」の誕生60周年を記念し、3色の限定モデルを発売した。鍵盤ハーモニカは愛用するプロミュージシャンが近年急増し、コロナ禍の巣ごもり需要も手伝って人気が沸騰中。発売から約1カ月が経過しても注文が殺到していて、同社は節目を機に看板製品のPRを一層強化する考えだ。

国内初の鍵盤ハーモニカといわれる「スーパー34」を生み出した1961年以来、改良や製品群の拡充を重ね、全国の児童と大人に親しまれてきた。
限定モデルは大人向け上位機種「PRO-37v3」をベースに、緑、黄、赤の3色をそろえた。同社のイメージカラーの緑と黄にはそれぞれ「成長」と「創造」を、赤に“60歳”を祝う思いと「情熱」の意味を込めた。
ステージ上で鮮やかに輝くよう光沢を施し、音色を重視した金属カバーを採用した。肩掛けできる取り付け用ピンなどを装備し、プロ奏者に多いキーボードとの併用にも対応できる。
想定価格は税込み3万円前後と通常より1割ほど高いが、6月6日の発売以来、50周年記念販売時の10倍に上る注文数を記録する。購入年齢層は広がり、小学校で愛用した20~40代が「昔よりおしゃれになった」と購入する例や、孫の演奏姿を見て新たな楽器として手に取る50代以上がいるという。コロナ禍で初挑戦する大人が増えた現状を捉え、無料のオンラインセミナーも8月25日に開催する。
営業管理推進部長の多田和修執行役員は「手軽さや他楽器との相性の良さに加え、格好良さも追求して成長を続けたい」と話す。
(浜松総局・荻島浩太)