熱海土石流 80人安否未確認、死者3人に 不明者の氏名公表へ
熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流で、熱海市は5日、新たに女性1人の死亡を確認したと発表した。今回の土石流による死者は計3人となった。斉藤栄市長は同日正午の市災害対策本部会議で、安否の確認が取れていない147人のうち、67人と連絡が取れたと説明した。未確認者は80人。県警や消防、自衛隊などが現場一帯で捜索活動を続けている。
関係者によると、新たに死亡が確認されたのは、同地区で4日に救出された鈴木チヨセさん(82)。同市によると、鈴木さんは同日午前、倒壊した家屋から救出されたが重傷を負い、病院に搬送されていた。
県は安否不明者について、氏名や年齢を公開すると明らかにした。杉山隆通危機報道官は「安否不明者の名簿を作成中で、整理でき次第公表する。特定を急ぐ」と説明した。
発生3日目となる5日は午前6時から、県警や消防、自衛隊が救助活動を再開。海では海上保安庁が船舶で捜索を続けている。午前中から気温が上がり、立っているだけで汗が噴き出すような蒸し暑さの中で活動を進めている。
県によると、午前10時現在、救出されたのは男性11人、女性12人の23人で、このうち負傷者は重傷1人を含む2人。既に死亡が確認されている2人については、県警などが身元の特定を急いでいる。土石流による被害範囲は延長約1キロ、最大幅120メートルで被害建物は約130棟。伊豆山地区全域で断水が生じている。避難者562人が市内2カ所のホテルに避難している。
富士市の江尾江川があふれた影響で21戸が床上浸水、57戸が床下浸水した。三島市でも4戸が床上浸水した。大平江川があふれた沼津市では浸水状況を調査している。