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避難住民、募る不安「今後どうすれば…」 熱海・土石流

 自宅を追われた数百人の地元住民は、熱海市内各所の避難所に身を寄せ、眠れぬ夜を過ごした。無事に避難できたものの「自宅にはいつ戻れるのか」「体調管理が心配」と見えない先行きに不安が募る。

避難所となった熱海中体育館で過ごす避難者=4日午前、熱海市の同校
避難所となった熱海中体育館で過ごす避難者=4日午前、熱海市の同校
地図を囲み、災害ボランティアセンター開設に向けて対応を協議する職員=4日午後、熱海市内
地図を囲み、災害ボランティアセンター開設に向けて対応を協議する職員=4日午後、熱海市内
避難所となった熱海中体育館で過ごす避難者=4日午前、熱海市の同校
地図を囲み、災害ボランティアセンター開設に向けて対応を協議する職員=4日午後、熱海市内

 市総合福祉センターに避難した女性(78)は、消防署員の声かけで間近に迫る土石流に気付いた。「『今逃げないと命はないぞ』と言われて…」。愛犬と貴重品だけ抱えて自宅を飛び出し、避難所にたどり着いた。「少し遅れていたらどうなっていたか。家の状態は気になるが、命が助かっただけでも良かった」と語った。
 熱海中の体育館には一時、約50人が身を寄せた。自宅は被害を免れたものの、近所の住民の呼び掛けで避難してきたという派遣社員町野均さん(61)は「自宅に戻れる日もまだ分からない。市外の親戚に迎えに来てもらえるので、いったんそちらに行こうと思う」と嘆いた。
 主婦の女性(54)は発災当時、野球のクラブチームの活動で神奈川県湯河原町に行っていた長男と離れて一夜を過ごすことに。4日朝、避難所でようやく合流できた。「思い付く限りの知人とは連絡がついてほっとしている。だが、この先のことを考えると不安」と顔を曇らせた。
 命の危険が迫る中、多くの避難者に持ち出し品を考える余裕はなかった。1人暮らしの70代女性は、定期的に服用する持病の薬がないという。避難所の職員に薬が必要なことを伝え、手配を頼んだが「手に入らなかったらどうすればいいのか」と途方に暮れた。

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