活動阻む大量の土砂 熱海・土石流、二次被害の危険つきまとう

 大量の土砂とがれきが捜索活動の行く手を阻んだ。本格化した捜索活動は雨による二次災害の危険が常に付きまとい、被害の全容をつかむことすら困難な状況が続く。身内や知人の安否を気遣う住民は、救助や捜索の様子を祈る思いで見守った。

土石流が発生した現場で、警察官らに救助される男性(奥)=4日午後、熱海市伊豆山
土石流が発生した現場で、警察官らに救助される男性(奥)=4日午後、熱海市伊豆山

 国道135号の逢初橋付近では午後3時ごろ、住宅の2階部分にはしごが掛けられ、湯原珍江(よしえ)さん(75)が救助隊員に誘導されて夫と一緒に脱出した。昨夜は1階が土砂で埋もれた自宅で、土石流の再来におびえながら一夜を明かした。「心配を掛けたね。ありがとう」。親戚に電話で無事を知らせた。
 被害家屋が集中している逢初川上流部の伊豆山神社付近。かろうじて流出しなかった住宅前にたまった土砂を消防隊員が懸命にかき出そうとしていた。
 だが、膝まで泥につかり、作業は思うように進まない。県は土砂状況を監視し、異常発生時に緊急速報メールを配信して注意を喚起した。救助活動は度々中断され、隊員はもどかしそうな表情を浮かべた。
 警察に協力して土砂撤去に当たった伊東市の新光重機土木の小林清次専務(45)は「量が多すぎる上に、行方不明者はどこにいるかわからない。今は人命最優先。慎重に進めざるを得ない」と作業の難しさを口にした。逢初橋付近では、夜を徹して土砂撤去作業が行われた。
 時間との闘いが続く被災地。伊豆山地域で包括支援センター員を務める看護師の女性(64)は、担当していた高齢者3人の安否が分からない。規制線越しに救助活動を見守りながら、「家から出歩くことが少ない方たちなのでとても心配。早く無事の知らせを聞きたい」と念じた。

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