ファシリティ犬「ヨギ」今秋引退へ 静岡県立こども病院、2万7千人に安心やぬくもり届ける

 静岡市葵区の県立こども病院で、療養中の子供を支えるファシリティドッグ「ヨギ」が秋に引退する。これまで延べ2万7千人に安心やぬくもりを届けてきた。

秋に引退するヨギとハンドラーの鈴木恵子さん=6月下旬、静岡市葵区の県立こども病院
秋に引退するヨギとハンドラーの鈴木恵子さん=6月下旬、静岡市葵区の県立こども病院

 ヨギはオーストラリアで生まれ、2012年から同病院に常駐している。病棟を巡るほか、患者の要望に合わせて手術室に同行したり、検査や処置の間、寄り添ったりする。6月に、一般的に犬の身体機能の低下が顕著になるとされる10歳となり、後任の「タイ」への引き継ぎが進められている。
 「ヨギを見つけて患者も病院スタッフも笑顔になる。日々存在の大きさを感じた」。ヨギとともに引退するハンドラー(指導者)の鈴木恵子さん(57)は振り返る。この1年はコロナ禍で活動を制限せざるを得ないこともあったが、引退を前に会いに来てくれる子は多いという。
 引退後は鈴木さんの故郷の長野県で暮らす予定。鈴木さんは「たくさんの人に尽くしてきた。のんびりさせてあげたい」とほほ笑んだ。
 (文化生活部・鈴木明芽)

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