旧茶工場をアート拠点に 掛川・原泉地区、創作過程を動画で配信
掛川市原泉地区で、使われなくなった茶工場をアーティストの拠点として開放し、24時間稼働するカメラで創作活動をユーチューブで配信する企画「OPEN AIR SPACE(オープンエアスペース)」が始まった。作品の背景やアーティストの人間性を知ることができる。8月25日まで。

原泉地区を舞台に現代アートを通じて地域の魅力を発見する「原泉アートプロジェクト」の運営メンバーで、沼津市のアーティスト都築透さん(33)が企画した。県の文化事業「ふじのくに#エールアートプロジェクト」の一環。会場に鑑賞者を呼ばない新しい生活様式に対応した動画配信イベントとして、新たな表現を提案する。普段見ることができない制作過程にも焦点を当てる。
会場となる旧茶工場は幅10メートル、奥行き15メートル、高さ7メートルと広大な空間。オープンイベントとして5月下旬、文筆家の安芸悟さん(35)のパフォーマンスを会場から配信した。安芸さんは自作の小説を読み上げる「音読ライブ」を各地で展開している。今回は「暗夜行列車」と題した作品を上演し、映像と音読を組み合わせて表現した。パフォーマンスの前後には準備や片付け、スタッフとの会話なども配信した。
都築さんは「作家の素顔を知ることで、身近に感じることができる」と新たな可能性を期待する。期間中は原泉地区を訪れたアーティストが多数出演する予定。詳細はWEBサイトから。
(掛川支局・伊藤さくら)