沿道観衆の笑顔、街並み 1964年以来再び記録へ 湖西のカメラ愛好会準備万端【五輪聖火リレー】

 23日に始まる静岡県内での東京五輪聖火リレー。出発地となる湖西市で、1年以上前から撮影を計画してきたグループがある。カメラ愛好家クラブ「八ちゃん会」は、1964年東京五輪の聖火リレーも撮影した。半世紀以上の時を経て、メンバーは再び歴史的場面の記録に挑む。

スタート地点の新居関所前でリハーサルに臨む片山さん(右から2人目)、鈴木さん(左から4人目)らメンバー=湖西市新居町
スタート地点の新居関所前でリハーサルに臨む片山さん(右から2人目)、鈴木さん(左から4人目)らメンバー=湖西市新居町
新居町役場の前で、1964年東京五輪の聖火ランナーを待つ観衆。一般開放された役場の屋上にも町民が詰め掛けた(鈴木芳朗さん提供)
新居町役場の前で、1964年東京五輪の聖火ランナーを待つ観衆。一般開放された役場の屋上にも町民が詰め掛けた(鈴木芳朗さん提供)
スタート地点の新居関所前でリハーサルに臨む片山さん(右から2人目)、鈴木さん(左から4人目)らメンバー=湖西市新居町
新居町役場の前で、1964年東京五輪の聖火ランナーを待つ観衆。一般開放された役場の屋上にも町民が詰め掛けた(鈴木芳朗さん提供)

 5月下旬、スタート地点の新居関所前に60~80代のメンバー9人が集まった。この日は聖火リレー本番に備えた撮影リハーサル。ストップウオッチを手に、ゴール地点までの時間を計測しながらランナー役を撮影した。1カ所で撮り終えると、次の撮影ポイントへ自転車を走らせ、先回りするための裏道も確認した。
 「64年の再現をしよう」。計画に着手したのは昨年3月。五輪延期で準備を1度中断したが、今年1月から再開した。月1回の会議を重ね、撮影者の配置などを検討。住民に頼み、撮影場所としてコース沿いの民家上階など3カ所も確保した。マンション10階はランナーはもちろん、地元ならではの浜名湖、付近に係留されて並ぶ漁船、JR東海道線までを一度に捉えられる絶好のポイントだ。
 同会は57年前にも、旧新居町を通過した聖火リレーを8ミリカメラで撮影した。当時携わったメンバー10人のうち、現在残っているのは2人。その一人、片山進さん(80)は前回、先輩から沿道の観衆が応援する姿を撮るよう指示を受けた。ランナーの撮影を楽しみにしていたが、聖火は片山さんの背中を通り過ぎた。そんな中、必死でカメラを回した。
 後日上映会を開くと、「あんた聖火リレーの映像に出とったね」と声を掛け合い、楽しそうに思い出を語る町民がいた。片山さんは「映像を記録する意味が分かった。今回も市民の笑顔や街の様子を撮りたい」と力を込める。
 「8年前、東京五輪が決まった時はえらい先だなと思ったけど、あっという間だった」と語るのは最年長の鈴木芳朗さん(86)。前回は撮影に携わったが、今回は地元を走る聖火ランナーに選ばれた。「撮ってもらう側になるなんて面白い」。当日は仲間に撮影を任せ、大役に専念する。
 聖火リレーが終われば、映像を編集し、市民向け上映会を開く予定だ。「どんな映像になるか楽しみ」と会長の白井槙雄さん(75)。期待を胸に、準備万端でその日を迎える。
 (湖西支局・大沼雄大)

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