川勝平太知事4選 自民推薦、岩井茂樹氏に大差 静岡県知事選

 3期12年の川勝県政の継続か刷新かが最大の争点になった任期満了に伴う静岡県知事選は20日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の川勝平太氏(72)が95万7239票を獲得し、無所属新人で前参院議員の岩井茂樹氏(53)=自民推薦=を大差で破り、4選を果たした。投票率は52・93%で前回を6・49ポイント上回った。県議会議員補欠選挙清水区選挙区の投開票も同日行われた。

4選を果たし喜ぶ川勝平太氏=20日午後8時25分、静岡市葵区
4選を果たし喜ぶ川勝平太氏=20日午後8時25分、静岡市葵区
4選を果たし喜ぶ川勝平太氏(右)と妻貴美さん=20日午後8時25分、静岡市葵区
4選を果たし喜ぶ川勝平太氏(右)と妻貴美さん=20日午後8時25分、静岡市葵区
4選を果たし喜ぶ川勝平太氏=20日午後8時25分、静岡市葵区
4選を果たし喜ぶ川勝平太氏(右)と妻貴美さん=20日午後8時25分、静岡市葵区

 1947年の地方自治法施行以降、本県知事の4選は故斎藤寿夫氏、石川嘉延氏に続き3人目。
 自民党は3月の千葉県知事選、4月の衆参3選挙に続く地方選の敗北。静岡県知事選では12年ぶりに推薦候補を立てて総力戦を展開しただけに痛手は大きく、年内にある次期衆院選や参院補選に向け、自民県連は選挙態勢の再構築を迫られることになる。
 川勝氏は新型コロナウイルス禍とリニア中央新幹線工事に伴う大井川流量減少問題を「県民の命に関わる危機」と訴え、県政の継続を主張。選挙戦ではリニア問題の解決を前面に打ち出し、大井川から離れた地域でもリニアの主張を徹底して展開。国やJR東海と対峙(たいじ)する姿勢は共感を集め、全域に支持を広げた。
 立憲民主、国民民主の両県連に加え、推薦を出した連合静岡が支援し、共産の県委員会も自主的に支援した。一方、県議会第2会派ふじのくに県民クラブが中心となった選対は政党色を薄める戦術で党派を超えて幅広い支持層に食い込んだ。
 岩井氏は自民推薦候補として徹底した組織戦を展開したが自民支持層を固めきれず、無党派層にも浸透しなかった。選挙戦で川勝氏を「対立をあおっている」と批判し、国、市町と連携する姿勢で違いを強調。直前までリニアを推進する国土交通副大臣を務めていた一方で「大井川の命の水を守る」と対話による解決を訴えたが、大井川流域の市町で川勝氏に大差をつけられた。
 
 ■川勝平太知事略歴
 京都府出身。静岡市葵区在住。早大政経学部卒、英オックスフォード大大学院博士号取得。早大教授や国際日本文化研究センター教授、静岡文化芸術大学長などを歴任した。2009年知事選で初当選。13年に再選、17年に3選を果たした。県観光協会と県スポーツ協会の会長を務める。72歳。
 
 ■静岡県知事選開票結果
 当 957,239 川勝平太 無現④
   624,967 岩井茂樹 無新
 ▽投票総数 1,595,933 ▽有効 1,582,206 ▽無効 13,727

 
 ■先見性ある かじ取りを
 連続3期を務める現職知事と、政界1強自民党が推薦する前参院議員による一騎打ち。活発な論戦を期待したが、県政の構造的課題や激変する社会への具体論が語られる場面は少なかった。将来の針路を示すよりも、新型コロナ対応やリニア、経済の立て直しといった直近の課題を巡る批判に終始した。
 国との関係に焦点が当たった知事選はおそらくこれまでになかっただろう。川勝平太氏の「国にもの申す」イメージは3期在任中に浸透し、知名度と相まって手堅く集票した。
 リニア水問題については川勝氏は一定の信任を得たと言える。しかし、本社の期日前投票の出口調査をみると、経済対策を重視する有権者は岩井茂樹氏に投じる傾向が強く、コロナ対策を巡っても両氏の支持は拮抗(きっこう)した。川勝氏の県政運営が全方位で支持されたとは言えない。
 4期を任された公選知事は過去2人しかおらず、県政史上でも指折りの長期政権に突入する。時代の変化は速く、先見性を持ったリーダーシップが不可欠だ。川勝氏に課せられた責任は重く、何よりも具体的な成果が求められる。
 (政治部長兼論説委員 風間ほえみ)

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