アカウミガメ、今季初産卵を確認 2008年以降最も遅く 御前崎

 御前崎市が絶滅危惧種アカウミガメの保護活動を行っている同市の海岸で11日早朝、今季初の産卵が確認された。市から委嘱されたウミガメ保護監視員が102個を掘り出し、ふ化場に運び込んだ。

砂の中からアカウミガメの卵を掘り出す渡辺元治さん(左)ら=11日午前6時ごろ、御前崎市
砂の中からアカウミガメの卵を掘り出す渡辺元治さん(左)ら=11日午前6時ごろ、御前崎市

 産卵場所は旧浜岡町域の池新田地区で、記録を取り始めた2008年以降で最も遅い。同町域よりも早く保護活動が始まり、国の天然記念物に指定されている旧御前崎町域ではまだ産卵がなく、1981年以降最も遅い状態が続いている。
 池新田地区を担当する渡辺元治さん(66)が午前4時半ごろ、産卵場所を発見。仲間の応援を得て同6時ごろ、深さ約50センチの砂の中からピンポン球ほどの卵を掘り出した。200メートルほど離れた場所には同じ個体とみられる足跡もあり、渡辺さんは「産める場所を探してここにたどり着いたのだろう。母は強し、ですね」と笑顔を見せた。
 卵は約60日でふ化し、子ガメは監視員が海に放流する。産卵期は8月下旬ごろまで続く。
 (御前崎支局・木村祐太)

 ■遅い産卵 砂浜の環境変化 影響か
 御前崎市によると、1981年以降の初産卵は同年と2014年の6月1日が最も遅く、それ以外の年は5月中に確認されていた。ただ今年は同じ遠州灘海岸でも5月17日に磐田市で卵が見つかっていて、専門家らは砂浜の環境が影響した可能性を指摘する。
 日本ウミガメ協議会によると、アカウミガメの初産卵は桜前線のように南から順に確認されていく。今年は全国的に例年並み。松宮賢佑事務局長は「カメにとっては半径50キロぐらいまでなら同じ場所という感覚だろう。どこを選ぶかはカメ次第で、(御前崎市の海岸で初産卵が遅れたのは)砂浜の環境も影響しているのではないか」と話す。監視員は年々砂浜が減り、産卵に適した場所が少なくなっていることを懸念している。
 一方、下田海中水族館でウミガメの調査、研究を担当する浅川弘さん(50)は「産卵時期にばらつきがあるのは海流の影響ではないか。早い、遅いで一喜一憂する必要はない」と語る。

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