支持者「どちらを応援…」静岡県議補選、清水区選挙区 「保守分裂」で地元混乱 自民系2人立候補予定

 8日までに3人が立候補を表明している県議補選静岡市清水区選挙区(欠員1、11日告示、20日投開票)で、選挙区内に三つある自民党支部が自民系2人のうち別々の立候補予定者を推薦するなど「保守分裂」を地で行く様相を呈している。このまま選挙戦に突入すれば有権者の混乱は必至で、自民支持層からも「どちらを応援したらいいのか…」との声が漏れてくる。

地元選出の深沢陽一衆院議員と自民系立候補予定者2人の「2連ポスター」。両陣営から渡され、困惑の末、両方とも玄関に貼る経済団体も=今月上旬、静岡市清水区
地元選出の深沢陽一衆院議員と自民系立候補予定者2人の「2連ポスター」。両陣営から渡され、困惑の末、両方とも玄関に貼る経済団体も=今月上旬、静岡市清水区

 本をただせば、衆院選に8回当選し、環境相も務めた望月義夫氏の死去に伴う玉突き選挙。当時清水区選出の県議だった深沢陽一氏(44)が「後継者」として国政に回ったため、1議席空いた。
 そこに自民系から立候補表明したのが望月氏の次女で秘書だった香世子氏(41)=自民党静岡市由比、蒲原両支部推薦=と、市議を4期務め地元経済界の多くが推す牧田博之氏(66)=同清水支部推薦=の2人だ。
 すでに区内には「自分の陣営こそ『正統』」と言わんばかりに、双方が作成した深沢氏との「2連ポスター」が張り巡らされ、“異様”な雰囲気を醸す。
 「義夫さんには世話になったし、牧田さんを支持しろと自民党からは催促が来る。つらい立場。どちらにも推薦を出さず、応援することに決めた」
 そう話す由比港漁協の宮原淳一組合長(80)の表情は苦しそう。組合内には「いまの漁港をつくるとき義夫さんに世話になった。恩義を返したい」と話す幹部もいるほか、香世子氏にとって「弔い選挙」(有権者)と感じている人も少なくない。
 由比地区の連合自治会は両方推薦しないことに決めたのに対し、蒲原地区の連合自治会は両方を推薦するなど地元も苦慮。清水中心部でも一部は香世子氏支持に回っている。
 「知事選は岩井(茂樹前参院議員)、補選は牧田で」―。7日にJAしみず本店駐車場に約500人が集まった岩井氏の集会。稲田朋美元防衛相も応援に駆け付けるなか、柴田篤郎組合長はマイクで声を張り上げた。ただ、香世子氏を支持する聴衆からは「帰るぞ」と怒鳴る声も。声の主の男性会社役員(73)は「皆それぞれやっているのだから、非常識だ」と憤った。
 補選には、先の衆院4区補選で深沢氏と争った山口賢三氏(73)も無所属で出馬する。「コップの中の争いに終始し、清水の人たちを置き去りにしている」と批判する。
 (清水支局・坂本昌信、蒲原支局・マコーリー碧水)

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