浜松聖火、公道の代替は... リレー短縮? 公園で? 市長が中止要請【東京五輪パラ】

 浜松市の鈴木康友市長が8日、川勝平太知事に行った市内公道での東京五輪聖火リレーの中止要請。23日の開催日が迫る中、知事は「市民の安全を図るのは市長の責務」と理解を示し、新型コロナウイルス感染が拡大している同市の要請に対応する姿勢を強調した。現段階でのルート変更は困難とみられ、県実行委員会はルート短縮や沿道の公園を活用するなどの代替案を「できれば週内にも決めたい」と検討を急ぐ。

浜松市の聖火リレーコース
浜松市の聖火リレーコース

 市は大型連休後の感染者急増を受け、5月26日から独自の感染拡大警戒宣言を発令している。鈴木市長は「屋外でも密状況にならないよう、市民にお願いしている。病床が非常にひっ迫している中、公道に多くの観客を集めることは宣言と矛盾する」と要請の理由を説明した。
 一方、東京五輪の延期前から決まっていた中区の聖火リレーコース(市役所前―静岡文化芸術大前)沿道に、市はワクチン集団接種会場としてザザシティ浜松西館、アクトシティ浜松展示イベントホール(23日開設)の2カ所を設置した。市民の間には、密状況が発生する場所に接種会場を設けた市の対応を疑問視する声もある。
 このほか、北区のコース(プリンス岬―みをつくし文化センター間)の大部分は天竜浜名湖鉄道の列車での移動を予定している。
 県実行委によると、東京五輪・パラリンピック組織委員会は聖火リレーのコース変更を原則として認めていない。現行ルートから離れた運動公園などへの変更も難しいとみられる。聖火リレーの予定ランナーは中区15人、北区6人の計21人。同委の担当者は「できる限り21人全員に参加してもらえる方法を考えたい」としている。
 県実行委は8日の会合で、県内全体の聖火リレーについては予定通り公道で実施することを確認した。

 ■「予定通り実施を」 「柔軟に対応する」 北区関係者 反応二分 
 突然の中止要請に、浜松市北区の関係者の反応は二分した。市の出先機関である同区役所が要請への理解を示す一方、天竜浜名湖鉄道からは、従来通りの実施を求める声が上がった。
 懸念される一般の見物客は、列車区間の発着駅となる西気賀、気賀両駅周辺やプリンス岬西側湖岸の堤防などでの観覧が予測される。臨時列車には、ランナーのほか関係者のみが乗車する。
 同鉄道の松井宜正社長は市の要請について「寝耳に水。事前の相談がなかった」と困惑。「県の判断を待つしかないが、安全性を確保する準備をしてきたので、ぜひ予定通り実施してほしい」と訴える。同区役所の担当者は「臨機応変に動けるよう備えているので、変更がある場合でも柔軟に対応したい」とした。

 ■他市、感染状況注視し準備 「難しい判断」理解示す
 県内で23~25日に実施される東京五輪聖火リレーで、浜松市が市内区間の公道での実施を取りやめ、他の実施方法に変更するよう県に8日要請したことを受け、他市からは浜松市の判断に理解を示しつつ「地域の新型コロナウイルスの感染状況を注視していかないといけない」と、直前まで気が抜けない状況に戸惑いの声が聞かれた。
 浜松市に隣接する湖西市でも、ゴールデンウイーク明け以降に感染者が急増した。市スポーツ・生涯学習課の担当者は「先行きの想定が困難な中で本番が差し迫り、浜松市の判断は難しかったと思う。市内でも今後の状況を注視しながら準備を進めたい」と話す。
 静岡市は既にコース沿いの自治会に説明を始めている。市スポーツ交流課は「応援の際は大声を出さず、マスクの着用やソーシャルディスタンスを保って見守るようにしてほしい」と呼び掛ける。
 沼津市ウィズスポーツ課も「感染状況によっては市内も公道での実施の可否を考えていく必要はあるが、まだその段階には至っていない」と説明。市は沿道での観覧の注意事項を示したオリジナルのカードを市民に配布する予定で、注意喚起と機運醸成の双方に気を配る。

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