立候補者アンケート(上)川勝平太氏/岩井茂樹氏【静岡県知事選】

 静岡新聞社は知事選(20日投開票)に立候補している現職川勝平太氏(72)と前参院議員の新人岩井茂樹氏(53)=自民推薦=に、県政課題を巡るアンケートを行った。2回に分けて回答を紹介する。初回は新型コロナウイルス感染防止策や疲弊した地域経済の立て直し策などの見解を掲載する。


 ■川勝平太(かわかつへいた)氏

 【問1】川勝平太知事の3期12年の県政をどう評価しますか。いずれかをお選びください(1・とても評価する 2・ある程度評価する 3・あまり評価しない 4・評価しない)

 その他
 評価は第三者(県民)にゆだねるべきことです。ただ、県民に喜ばれたこととして、数例を挙げておきます。
 小学生から中学生の35人以下学級の実現▽市町の協力を得て乳幼児から高校生世代までの医療費無料化▽どの世代でも移住希望地ランキング日本第1位、その8割以上が子育て世代になった―など。

 【問2】県政の一番の課題は何と考えますか
 一番の課題は常に危機管理です。目下の課題は新型コロナウイルス感染症を抑え込むためのワクチン接種の迅速・円滑な実施▽リニア工事から“命の水”と“南アルプスの自然環境”を守ること▽危機突破戦略として、利他・自利の経済政策「フジノミクス」によって広域経済圏を実現し、SDGsのモデル地域になること。

 【問3】どのように新型コロナウイルス感染防止対策を講じますか
 希望するすべての県民へのワクチンの接種。クラスター対策機動班による積極的疫学調査、医療機関クラスターへの支援チーム派遣、感染拡大の防止の指揮を執ります。
 引き続き、マスク着用、手指消毒、“密”回避などの新しい生活様式の徹底。

 【問4】ワクチン接種の課題と解消に向けた方策をお答えください
 市町の首長と意見交換を行い、接種現場を担当する市町を強力に支援。広域的な接種会場の設置・運営、医療従事者からなるワクチンチームの派遣、接種を行う医療従事者の確保と協力金の支給に全力。

 【問5】新型コロナウイルス感染拡大で疲弊した経済の立て直し策をお答えください
 新経済政策「フジノミクス」を展開。山梨県と相互の物産販売や観光交流を進める「バイふじのくに」を長野・新潟県に広げ、新たな経済圏を構築する。医療健康、IT関連、次世代自動車産業などを育成する。事業拡大や業種転換に挑戦する中小企業を伴走型で支える。農林水産業のルネサンスを図り、供給面からも支援する。

 ■岩井茂樹(いわいしげき)氏 

 【問1】川勝平太知事の3期12年の県政をどう評価しますか。いずれかをお選びください(1・とても評価する 2・ある程度評価する 3・あまり評価しない 4・評価しない)

 該当なし
 挑戦者なので、現職について評価するのではなく、私は自分の訴えを地道に伝える努力をしたい。評価するのは県民。

 【問2】県政の一番の課題は何と考えますか
 静岡県のワクチン接種の遅れに象徴されるように、最も大事な危機管理の面での不安▽経済全体の停滞(伸び率全国42位)。製造業のマイナス。農業、特に茶生産額は2位転落▽児童生徒の不登校数全国ワースト4▽医療の県内格差の拡大▽人口減少が止まらず合計特殊出生率も悪化傾向。

 【問3】どのように新型コロナウイルス感染防止対策を講じますか
 短期的には迅速かつ広範な検査体制を整え、ワクチン接種完了まで感染拡大のピークを抑えるため、知事のイニシアチブで円滑な接種体制を構築する。
 長期的には医療従事者数を増やして医療体制を守り、平時は医師や医療スタッフの人材育成機能、有事には感染症や自然災害時にも機能する国県連携による専門病院をつくる。

 【問4】ワクチン接種の課題と解消に向けた方策をお答えください
 まずはワクチン接種を希望する高齢者の7月末までの接種完了を目指し、市町の接種プランをバックアップする形での医療従事者や会場の確保。
 さらに一般接種に向けて、予約システムの見直し、優先順位の柔軟な対応、接種会場の拡充など円滑かつ迅速な接種実施体制を作る。

 【問5】新型コロナウイルス感染拡大で疲弊した経済の立て直し策をお答えください
 今こそ、静岡県に若い世代を呼び込み、活力を取り戻す時。働く世代に対し、ワーケーションやサテライトオフィスの誘致による新しいライフスタイルを提供する。また、AIやIoTなどを活用したDXにより、静岡が築き上げてきたモノづくり産業を深化させ、新たなイノベーションの創出による成長産業への転換を図る。

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