甘美なアート幸せ 特別展「渡辺おさむ―お菓子の美術館にようこそ―」 6月12日~8月15日、平野美術館

 樹脂でできたクリームやフルーツでデコレーションする技法で、動物や街、世界の名画などを表現する現代美術作家渡辺おさむ氏。「アート界のスイーツ王子」が創り出す甘美な世界を紹介する特別展「渡辺おさむ-お菓子の美術館にようこそ-」が12日、浜松市中区の平野美術館で開幕する。「お菓子の水族館」「お菓子の森」「クリームの世界」などのテーマごとに計約100点を展示する。

Unicorn(2014年)
Unicorn(2014年)
CreamPainting-神奈川沖浪裏-(2019年)
CreamPainting-神奈川沖浪裏-(2019年)
I’m thinking(2015年)
I’m thinking(2015年)
Unicorn(2014年)
CreamPainting-神奈川沖浪裏-(2019年)
I’m thinking(2015年)

 渡辺おさむは「Fake Cream Art(フェイククリームアート)」と呼ばれる独自の技法を用いてアートシーンを切り開いてきた。国内だけでなく海外でも高い評価を受けており、今注目の作家といえよう。
 本物のようにおいしそうなスイーツの装飾を施された渡辺の作品は、見る者を明るく幸せな気持ちにさせてくれる。以前、彼はインタビューで「クリームやスイーツにまつわる幸せな記憶が誰にでもある」と語っている。確かに自分へのご褒美にスイーツを購入したり、記念日にケーキを切ったりすることがある。そういった日常の幸せな時間が作品によって想起されているのかもしれない。
 作品のモチーフは身近な動物から空想上の生き物、加えて美術史上の名画や名作など実に多様である。しかしながら、全て渡辺の世界の中にぶれることなく存在している点が秀逸だ。作家の手によって再解釈されたモノは、お菓子という新たな視点によって提案、再構築される。唯一無二の魅力的な世界が作り出されているのだろう。
 本展では「Unicorn」や、美術史上の代表作にオマージュをささげた「クレープ少女」などの代表作に加え、浜松市に本社を構える春華堂の看板商品「うなぎパイ」を用いた新作も展示予定である。ぜひこの機会に「ファンシーでかわいい」けれど「上品で美しい」渡辺の作品を堪能していただきたい。
 (平出実乃里・平野美術館学芸員)

 ■会期 6月12日~8月15日(月曜休館)
 ■会場 平野美術館(浜松市中区元浜町166)<電053(474)0811>
 ■開館 午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
 ■観覧料 大人800円、中高生300円、小学生200円(20人以上の団体は2割引き。土日に限り小中学生無料。キッズアートプロジェクトしずおかパスポート利用可)
 主催 平野美術館、静岡新聞社・静岡放送
 後援 浜松市
 協力 春華堂、日本美術家連盟

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