アメリカ人初の日本茶インストラクター合格 静岡県在住の2人「世界にお茶の魅力伝えたい」

 米国出身のジェームズ・ジョンソンさん(29)=森町=と、ブレット・メイヤーさん(39)=浜松市西区=が、同国出身者として初めて日本茶インストラクターの資格を取得した。2人は「世界にお茶の魅力を伝えたい」と夢を語る。

茶葉の香りを確認するジェームズ・ジョンソンさん(右)とブレット・メイヤーさん=5月上旬、森町のおさだ製茶
茶葉の香りを確認するジェームズ・ジョンソンさん(右)とブレット・メイヤーさん=5月上旬、森町のおさだ製茶


 ジェームズさんは、同町の製茶問屋「おさだ製茶」に今春入社し、茶商としてキャリアをスタートさせたばかり。日本のゲームやドラマに興味を持ち、大学卒業後の2014年に来日した。急須で入れた深蒸し茶の豊かな味と香りに夢中になり「詳しい知識を人に伝えたい」と考え始めた。
 日本茶検定1級合格後の昨春、より高難易度のインストラクター資格取得を目指し、友人で翻訳家のブレットさんと勉強を始めた。
 共に「限られた時間に大量の日本語を読むのが大変だった」などと振り返るが、ことし2月にそろって一発合格。ジェームズさんは「来日当時のようにわくわくした」と語り、ブレットさんは「合格できるとは思わなかった。良い仲間のおかげ」と友人に感謝した。
 ジェームズさんは県国際経済振興会(SIBA)を通じて知り合ったおさだ製茶に入社し、海外顧客への受発注業務を担う。「いつか2人で全国の生産者を訪ねて本にまとめたい」と夢を語る。
 同社の長田夏海専務(43)は「外国人向けにお茶の教室を開くなど、国内外に日本茶文化を発信してほしい」と期待する。
 (経済部・駒木千尋)

 ■日本茶インストラクター 日本茶のおいしい飲み方や歴史、業界についての幅広い知識を持ち、イベントや入れ方教室などで消費者らに指導する。試験は年に1回。1次が茶の化学や栽培など10分野について問う筆記形式で、2次は外観と内質から品質を鑑定し、審査員の前でお茶の入れ方を説明しながら実演する実技形式。合格率は約30~40%。2021年4月時点の登録人数は約4800人。

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