JR東海社長「リニア工事のルート変更難しい」 改めて否定的見解示す【大井川リニア】

 JR東海の金子慎社長は28日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事のルート変更に改めて否定的な見解を示した。「これまでも『大変難しい。考えられない』と言っていて、それは変わらない」と述べた。=社長の一問一答4面へ
 ルート変更を巡っては、知事選(6月3日告示、20日投開票)に立候補を表明している現職の川勝平太氏(72)と元参院議員岩井茂樹氏(52)=自民推薦=がともに選択肢になるとの考えを示している。金子氏は「知事選に関するコメントは差し控える」とした上で、ルート変更に対する認識を語った。
 また、大井川流域住民へのJR東海による説明不足が指摘されている点に関し、金子氏は「大井川の水の問題について懸念を解消するのは私たちの責任で役目」と強調。一方で「今は(国交省の)有識者会議で指導を受けている。そこできちんと対応するのが第一の務めだ」とし、住民に直接説明する段階ではないとの考えを示した。

 ■28日に開かれたJR東海の金子慎社長の定例記者会見での主なやりとりは次の通り。
 ―県知事選(6月3日告示、20日投開票)に向けた公開討論会で、リニア中央新幹線のルート変更や工事中止に言及する発言があったが、JR東海の見解と違いはあるか。
 「選挙に関わる討論の中での発言についてコメントは差し控える。これまでもルート変更は『大変難しい。考えられない』と言っていて、それは変わらない」
 ―リニア事業に関してJR東海の説明不足を指摘する声がある。改善すべき点はあるか。
 「大井川の水の問題について懸念を解消するのは私たちの責任で役目。今は(国交省の)有識者会議で指導を受けている。そこできちんと対応するのが第一の務めだ。(有識者会議の結論が出るなど)次の機会が到来すれば、地元の方にしっかりと説明し、懸念を払拭(ふっしょく)できればいい」
 ―リニア開業後に東海道新幹線の料金の値下げはあるか。
 「リニア開業時の経済や経営の事情、便利さを考慮し、リニアの運賃を決めないといけないのは課題だが、東海道新幹線の運賃を上げる、下げるは考えていない」

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