災害時のSNS発信 大西一史・熊本市長に聞く 迅速、直接伝達が可能

 熊本地震で被災した熊本市で災害対応の陣頭指揮を執り、ツイッターでの情報発信が注目を集めた大西一史同市長に、復興状況やSNS発信の有効性、課題をオンラインで聞いた。

災害時のSNSでの情報発信の有効性と課題を語る大西一史熊本市長=5日(同市提供)
災害時のSNSでの情報発信の有効性と課題を語る大西一史熊本市長=5日(同市提供)
熊本地震後の大西市長のつぶやき(本人のツイッターより)
熊本地震後の大西市長のつぶやき(本人のツイッターより)
災害時のSNSでの情報発信の有効性と課題を語る大西一史熊本市長=5日(同市提供)
熊本地震後の大西市長のつぶやき(本人のツイッターより)

 ―復興状況は。
 「まずは静岡県民にお礼を言いたい。多くの自治体から応援に来ていただき、避難所運営や家屋被害調査、災害ゴミ収集などの対応に当たってもらった。延べ人数は3700人に上る。団体や個人から多額の寄付もいただいた。熊本市内では最大1万2千人が仮設住宅にいたが、ほぼ恒久的な住宅に移った。インフラ復旧も進んだ」
 ―車中泊が大きな課題になった。
 「余震が頻繁に起き、子供連れや1人暮らしの女性、ペット同伴者らが指定避難所を敬遠した。地震後、市民5千人を対象に市民アンケートを取ったところ、回答があった2438人のうち4割は車中泊をしていた。行政が把握できない避難者が大勢いた」
 ―SNSの有効性と課題は。
 「情報を素早く個人に直接届けられる点が大きい。被災や復旧状況を発信したが、多くの被災者が見て行動したと思う。逆にわれわれが水道の漏水箇所や災害ごみの投棄場所などの情報提供を市民に求めた。寄せられた情報に基づき早急に対応できた。一方、デマが広がった。『動物園からライオンが逃げた』というのが最たるもの。偽情報が善意で拡散することが起き、人々の情報リテラシー(読解力)にはまだかなり差がある」
 ―地震直後は多忙を極めたと思う。発信の工夫は。
 「早く市民に伝えた方がいいと感じた情報は、会議と会議の間に担当職員に内容を確認し早めに発信した。不急の情報は下書きだけして、時間がある時につぶやいた。災害時の首長の発信は効果が大きいが、タイミングや内容はこつがいる。日頃から実践し慣れておくことが大事。都合が悪い情報を包み隠さず伝え、市民との信頼関係を築いておくことも大切だ」
 (聞き手=社会部・武田愛一郎)

 おおにし・かずふみ氏 熊本県議を経て2014年11月、熊本市長に初当選。現在2期目。全国市長会防災対策特別委員長を務める。ツイッターで毎日つぶやき、フォロワーは16万2000人を超える。53歳。

 

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