JR回答「着工流域の理解前提」 説明の場設ける考えも【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、JR東海は15日、大井川流域10市町が流域住民の理解と協力を得ることなく着工しないよう求めた同社への要望書に対し、書面で回答した。「トンネル掘削着工には流域の皆様のご理解とご協力を頂くことが前提」とした上で、流域市町への説明の場を設ける考えを示した。
 JRの担当者が島田市を訪れ、金子慎社長名の回答書を担当者に手渡した。書面では水資源の確保、分かりやすいデータ提示といった要望項目について「いずれも重要でごもっともな意見」と強調し、流域市町への説明については「国交省専門家会議における議論の整理の進捗(しんちょく)を踏まえ、適切な段階で機会を頂きたい」とした。
 要望書は3月20日に首長らが同社の宇野護副社長らと面会し提出したが、JR側がその場での具体的な回答を保留し、「対応が不誠実」(牧之原市の杉本基久雄市長)との声も上がっていた。島田市は15日、回答書を流域市町に送付した。染谷絹代島田市長は回答書について「全市町の首長が回答を確認していない段階ではコメントできない」と話した。

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