議事録発言削除や加筆 国交相「補足」と正当性主張【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を議論する国土交通省専門家会議の議事録が、委員の発言通りに作成されていない問題で、赤羽一嘉国交相は9日の閣議後会見で、趣旨を分かりやすくするために作成プロセスの中で行った「補足」であるとして、正当性を主張した。ただ、実際には発言していない文言の加筆もあり、透明性や記録性が担保されているのか疑問視する見方がある。
 国交省は県が求める「会議の全面公開」への対応として議事録を開示している。同省によると、議事録は会議後に①事務局が音声を文字起こし②各委員に送付し、必要に応じて補足や削除の意見を受け付ける③事務局が各委員からの意見を反映した議事録案を作成し、各委員に再確認して了承を得る④同省ホームページで公開し、次回会議で配布(委員名は伏せる)―という手順で作られている。赤羽国交相は、趣旨が変更されない範囲での補足などは「一般的」だとし、今回の作成手順に問題はなかったと強調した。
 ただ、議事録では、重要事項である中間取りまとめに関する福岡捷二座長(中央大教授)の発言に改変があった。会議の取りまとめを行う主体が専門家会議ではなく、同省鉄道局と受け取れる表現に変わっていた。このほか、流域市町が取りまとめを望んでいるかのような発言を削除したり、実際には言っていない文言を加筆したりした。
 各委員の了承を得る前に、他の委員の補足や削除に関する説明はなく、座長発言の改変を認識せず了承していた委員もいた。情報公開制度に詳しい前山亮吉県立大教授(政治学)は「方向性を示す座長発言の補足や削除なので、全委員が(改変を)把握できないやり方には問題がある」と指摘する。
 専門家会議は一般利水者の傍聴を認めていないため、発言内容が説明なく修正されていれば正確な議論の内容を知ることはできない。県くらし・環境部の織部康宏理事は国交省側の説明を踏まえ「透明性が確保されていないことがはっきりした。取りまとめの信頼を損ねたり、疑念を生んだりしないように、会議を全面公開してほしい」と述べた。

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