テレワーク拡大 文書管理、デジタル化加速 業務効率化へ脱ハンコも

 新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが広がる中、文書管理をデジタル化する動きが県内企業で加速している。在宅勤務を阻む要因となる書類作成や押印作業のデジタル化で、多様な働き方と業務の効率化、改革につなげる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が進みつつある。

データ化した企業の書類を預かり保管する鈴与の倉庫。オフィススペースの削減につながっている=静岡市内
データ化した企業の書類を預かり保管する鈴与の倉庫。オフィススペースの削減につながっている=静岡市内

 文書管理システムを開発・提供する鈴与は昨年、押印や文書決裁の電子化技術に強みのある都内IT企業と連携してサービスを拡充した。紙やはんこを必要としてきた契約業務などをデジタル化し、紙で保管せざるを得ない書類もデータ化して電子文書と一元管理するサービスで、押印や書類管理のために出社せざるを得ない非効率性の解消を図る。
 「取引先との関係で紙ベースの文書を完全にゼロにできない企業も多く、電子と紙の両方の書類をウェブで管理できるシステムの需要が増している」とデータソリューション事業部の原健二部長。契約書3千件を電子化した場合の業務時間削減効果は推計年間420時間に上るという。書類の原本を倉庫で保管すればオフィススペースも削減されることから、コロナ禍でテレワークを導入する企業からの問い合わせが伸びている。
 社内稟議(りんぎ)書や決裁時の押印を効率化する「脱ハンコ」も進む。各種マニュアル製作のクレステック(浜松市東区)は16年以降、社内や人事評価などに関連した電子システムの自社開発を進め、押印手続きをデジタル化した。杏林堂薬局(浜松市中区)は2018年10月から、押印必要数を従来の半数以下となるよう社内システムを変更、捺印の電子化やペーパーレス化も進めている。
 静岡新聞社が県内の主要企業100社にこのほど行ったアンケートでは、押印について、60社が「電子化されていれば不要」とし、「必要で継続が必要」は11社だった。「取引先のルール次第」とする企業も15社あり、「社内文書や押印の電子化はできても、社外文書は取引先との調整が必要で推進が難しい」(情報通信)の声もあった。
 (経済部・石井祐子)

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