三島死亡事故「有罪」 供述一転、女に判決 静岡地裁沼津支部

 三島市内で2019年1月、赤信号の交差点に乗用車で進入し、同市の会社員男性=当時(50)=のミニバイクに衝突して死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた沼津市大岡、無職の女(48)の判決公判で、静岡地裁沼津支部は15日、禁錮3年、執行猶予5年(求刑禁錮3年)を言い渡した。

判決後、記者会見で胸の内を語る遺族ら=15日午前、沼津市内
判決後、記者会見で胸の内を語る遺族ら=15日午前、沼津市内

 菱田泰信裁判長は判決理由で「安全確認の注意義務を怠ったのは明らかで、過失の程度は相当に大きい。被害者に落ち度は全くなく結果は重大」と指摘。客観的事実に反する供述を行ったとし「真摯(しんし)に反省し、十分な謝罪がなされたとは言えない」と述べた。一方で「二度と運転はしないと誓っている」などと執行猶予の理由を説明した。
 判決によると、被告は19年1月22日午後6時10分ごろ、三島市萩で乗用車を運転中、赤信号を見過ごしたまま時速約50キロで市道交差点に進入し、男性のミニバイクと衝突して死亡させた。
 被告は、20年5月の初公判で起訴内容を否認し無罪を主張したものの、同10月の第2回公判で自身の車のカーナビの解析結果を受け、交差点進入時の信号は青だったとするそれまでの主張を一転し起訴内容を認めた。

 ■実刑がかなわず涙 遺族の悲しみ、怒り 今も
 実刑を望む遺族の思いはかなわなかった。当初の無罪主張から一転、公判の途中でようやく罪を認めた女(48)に、静岡地裁沼津支部が下したのは執行猶予付きの判決。閉廷後、沼津市内で記者会見した遺族(28)は「残念としか言いようがない」と悔しさをにじませた。
 最愛の父を亡くして2年が過ぎたが、悲しみや怒りは変わらない。事件直後は男性のミニバイクが右折、被告の乗用車が直進とされ、不審に思った遺族がビラ配りやSNSで懸命に情報を集めた。被告は逮捕後も「自分が青信号だった」との主張を繰り返し、遺族は「何度も殺されたような思い」を受け続けた。
 判決公判では終始うつむき、裁判長の問いかけにも無言でうなずくだけの被告。遺族は執行猶予付きの判決に「本当に納得できない。今後、このような事故の被害者や家族のためにもならない」と涙ながらに語った。

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