物流業界の人手不足 若手運転手確保で成果 未経験歓迎、免許取得支援 磐田・キャリスター

 トラック運転手の残業規制で物流業界の人手不足の加速が懸念される中、磐田市の運送業キャリスター(中村多希留社長)は若手ドライバー確保の面で成果を上げている。未経験者を歓迎し、免許取得を支援するなど地道な人材育成を進め、中小企業ながら社内ドライバーの約3割に当たる14人が20代以下。ドライバー総数も増え、事業の拡大につなげる。

若手ドライバーらと談笑するキャリスターの中村多希留社長(左から2人目)=6月下旬、磐田市の本社営業所
若手ドライバーらと談笑するキャリスターの中村多希留社長(左から2人目)=6月下旬、磐田市の本社営業所

 同社は関東から関西地方で、建材や食品・食材、タイヤなど幅広い製品の中距離輸送を中心に手がけている。荷主の要望に応じた「オーダーメード物流」を売りとする。
 即戦力の雇用が主流の運送業界の中で、いち早く未経験者の採用に着手した。準中型や中型、大型など運転免許の取得費用は、一定期間の勤続を条件に会社が全額負担する。免許取得のための教習所通いや受験は勤務日扱いにしている。
 中村社長自身が地元の高校に呼びかけ、2022年度から新卒採用も続けている。中村社長は「最初は誰もが未経験者。育成して一人前になってもらう。ドライバーさえいれば、仕事がついてくる」と説明する。
 昨年、自動車整備の仕事から転職した小林蓮さん(25)は「以前から運送の仕事には関心があったが、免許がないことが心理的な壁になっていた。免許取得を支援してもらえるのはありがたい」と話す。
 新卒採用でも入社1カ月後からは、1人で軽貨物車を使って近隣の小口配送を担当し、経験を積む。年齢が近い先輩ドライバーが指導を担う。会社に人材を紹介した従業員には特別ボーナスも支給している。
 若手が自発的に集まってバーベキュー大会を開くなど社内の雰囲気は明るい。中村社長は「50年先の未来を見据え、100年先まで残る持続可能な企業にしたい。それが若い社員のためにもなる」と強調した。
 静岡県トラック協会の担当者は、業界の人材確保の課題として「即戦力を採用しても、より条件や環境の良い会社に移るなどなかなか定着しない。若手をゼロから育てるにも原資が必要で、そういった投資が難しい企業が多い」と指摘する。

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