災害関連死審査会 設置対応進まず 15市町で条例に規定なし 静岡県、早期改正 働きかけ

 被災後の心身の負担などが原因で亡くなる災害関連死を巡り、静岡県内35市町のうち15市町が認定に必要な審査会の設置を条例で定めていないことが9日までの県のまとめで分かった。認定に時間がかかれば災害弔慰金の支給が遅れる可能性があり、生活再建にも影響が出かねない。地震や水害などの自然災害が相次ぐ中、県は市町に対して条例改正を働きかけている。

審査会設置を条例で定めていない県内市町
審査会設置を条例で定めていない県内市町

 災害関連死は津波や家屋倒壊などによる直接死ではなく、避難生活のストレスや過労といった間接的な原因で亡くなることを指す。認められれば直接死と同じく遺族には最大500万円の弔慰金が支給される。市町は医師や弁護士らでつくる審査会を開いて認定するが、2019年施行の改正災害弔慰金支給法は「努力義務」としていて設置が進んでいない。
 県が今年5月に実施した調査によると、20市町が条例改正を済ませていた一方、15市町は未対応だった。県東部の自治体は「人員不足により委員の選出方法や運営について検討ができていない」と理由を挙げた。大半は「今後検討予定」と回答し、御前崎市は今年1月の能登半島地震を受けて24年度中に条例を改正するとした。
 県によると、直近の県内の災害関連死は21年の熱海市伊豆山大規模土石流で1人、22年の台風15号で3人(静岡市)が認定されている。静岡市は20年に条例を改正済みで、関係機関にあらかじめ委員候補者の推薦を依頼していたため、迅速な対応につながったという。市民自治推進課の担当者は「発災後の対応では支給決定が遅れたと思う。平時から準備しておくことが大切」と指摘した。
 県は6月中旬に市町担当者会議をオンラインで開き、条例を改正していない市町に対応を求めた。健康福祉部企画政策課の担当者は「他市町の事例を参考にしたいという声もあるため、必要な情報を提供して条例改正を後押ししていきたい」と話す。

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