迫る7月3日新紙幣発行 静岡県内飲食店など準備急ぐ 券売機や釣り銭機更新 認識装置品薄で対応遅れも

 7月3日に迫る新紙幣発行に向けた準備が、県内の飲食店や観光施設などで進んでいる。従業員による会計作業の手間を省く券売機やセルフレジの導入が広がる中、各店舗は新紙幣に適応した機材への更新を急ぐ。ただ、高まる需要を受けてお札を認識する券売機のユニット(装置)は品薄状態で、メーカーや販売店が対応に苦慮するケースも出ている。

製造中の券売機。新紙幣発行に向けた対応が進む=6月中旬、静岡市駿河区
製造中の券売機。新紙幣発行に向けた対応が進む=6月中旬、静岡市駿河区
新紙幣の見本
新紙幣の見本
製造中の券売機。新紙幣発行に向けた対応が進む=6月中旬、静岡市駿河区
新紙幣の見本

 「だいたい半年待ちぐらい。注文を受けたお客さまにはそう伝えている」。券売機などを製造する三幸エンジニアリング(静岡市)の青木兼弘社長によると、挿入した新紙幣を識別するユニットの納入期間は早くても5カ月ほど。既存の券売機もユニットを交換すれば新紙幣を使用可能になるが、「今のままでは使えない店も出てくる。どうするのか」と気をもむ。過去に製造した券売機は道の駅や病院、飲食店など幅広い施設に納入されている。
 券売機や両替機を販売するトラスト(同市)も、昨年の同時期と比べ受注は倍以上に。納期はメーカーごとに異なるが、「生産が追いついていない。通常の5、6倍はかかる」という。数年後に予定していた機材更新を前倒しする店舗や施設も多く、新紙幣の発行を前に需要が集中している。
 遠鉄観光開発(浜松市)は遊園地「浜名湖パルパル」のアトラクション券売機など各施設で準備を進め、「新紙幣発行の初日には間に合わせたい」。富士市の東名高速道富士川サービスエリア(SA)に店舗を構える道の駅「富士川楽座」は、土産物売り場や有料施設の更新が既に完了。担当者は「紙幣は出回るのが早い」とし、フードコートでの対応を急ぐ。
 観光つり橋を運営する三島スカイウォーク(三島市)は、釣り銭機の更新を検討中。「キャッシュレス対応も増えている。新紙幣発行のスタートには間に合わないが、きめ細かな接客でカバーしたい」という。
 飲食店ではコスト高に悩む店主も。静岡市のラーメン店では現在も新500円硬貨を券売機で使えず、店員が両替で対応している。男性店主は「原材料費や人件費が上がる中、券売機の購入は厳しい」とし、更新は様子見の構えだ。

■新紙幣の発行
 約20年ぶりに紙幣が変わる。肖像は1万円札が渋沢栄一、5千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎。緻密な連続模様を描いた高精細なすかしや、光が当たる角度を変えると肖像が回転する3Dホログラムなど世界初の偽造防止技術を採用した。目が不自由な人も手で触れば識別しやすく配慮したほか、額面の洋数字は従来よりも大きく記し、外国人にも扱いやすくした。静岡市の静岡工場を含む国立印刷局の全国4工場で製造、印刷される。

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