エコパは“パリへの滑走路” 陸上男子1万メートル・太田智樹(浜松日体高出) 3日に日本選手権、出場枠懸け闘志

 史上最速時代に突入している陸上男子1万メートル。3日にエコパスタジアムで行われる日本選手権に太田智樹(26)=トヨタ自動車、浜松日体高出=が挑む。最新の世界ランキング(4月30日現在)でパリ五輪の出場圏内に付けるが、27人の出場枠の中で27番目と当落線上。慣れ親しんだエコパで迎える一戦に、花の都への勝負が懸かる。

昨年12月の日本選手権男子1万メートルで日本記録を更新して2位になった太田智樹=国立競技場(写真部・小糸恵介)
昨年12月の日本選手権男子1万メートルで日本記録を更新して2位になった太田智樹=国立競技場(写真部・小糸恵介)
太田智樹(左)
太田智樹(左)
昨年12月の日本選手権男子1万メートルで日本記録を更新して2位になった太田智樹=国立競技場(写真部・小糸恵介)
太田智樹(左)

 同学年の相沢晃(旭化成)、伊藤達彦(ホンダ、浜松商高出)が挑んだ東京五輪から3年。有力選手が並ぶ1997年生まれの「黄金世代」で中高、大学と第一線を走り続けてきたトップランナーがいよいよエンジン全開だ。
 トヨタ入社後は、早大時代の故障経験を生かしてオーバーワークを防ぎつつ、昨年からチームメートになった田沢廉とも共闘。「強い。練習後の余裕度が自分とは違う」と一目置く後輩と米国合宿などを通じて強度の高い練習を重ねてきた。
 昨年12月の日本選手権は従来の日本記録(27分18秒75)を上回る27分12秒53で準優勝。中学日本一になっても、全国高校総体で留学生に真っ向勝負を挑んで入賞しても「世界なんて全く考えなかった」と決して大言壮語をしない男が、「初めて五輪を目指せると感じた」と確かな手応えをつかんだ。
 五輪の出場枠はすでに16人が参加標準記録(27分0秒00)を突破し、クロスカントリーのランキングでさらに8枠が埋まった。現状、残された切符は3枚と厳しい状況だが、「可能性はゼロではない。挑戦するだけ」と前だけを向く。
 苦しくなっても表情を変えず、豊富な経験を生かした冷静なレース運びに派手さはない。昨年の日本選手権の走りでさえ「優勝した塩尻(和也=富士通=)さんが強さを見せ、3位の相沢も故障明けという話題があった。自分はしれっと走っただけ。地味なので」と冗談めかす。だが、今回は地元で脇役に回るつもりはない。
 日本人初の26分台で優勝すればその時点で代表に決まる。「応援を力に変える。印象に残る、インパクトを与える走りをしたい」。普段と変わらない、淡々とした言葉の端々に闘志をにじませる。
 おおた・ともき 1997年10月17日生まれ。浜松市出身。浜松浜名中で全国中学校体育大会3000メートル優勝。浜松日体高では全国高校総体5000メートルで6位入賞し、早大で4年続けて箱根駅伝に出場した。トヨタ自動車に進み2023、24年の全日本実業団駅伝で区間賞。1万メートルの自己記録は日本歴代2位の27分12秒53。26歳。

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