静岡知事選、戦略見直し必至 自民/候補擁立加速も支持低迷 野党/足並みそろうか見通せず【川勝知事辞職表明】

 15年近く静岡県政トップを務めてきた川勝平太知事が突然の辞任表明をしたことを受けて2日、県内政界に衝撃が広がった。「5選に前向きだったのでは」「県政に停滞を招く」など与野党を問わず驚きの声が相次いだ。2025年の次期知事選は1年程度前倒しされる見通しとなり、選挙戦略の見直しは必至だ。リニア中央新幹線南アルプス静岡工区の工事にも影響するとの見方が出ている。

川勝平太知事の給与返上問題で、不信任決議案の記名投票を行う県議。決議案は1票差で否決されたが、その後も知事の発言を巡って県議会との対立は続いていた=2023年7月13日
川勝平太知事の給与返上問題で、不信任決議案の記名投票を行う県議。決議案は1票差で否決されたが、その後も知事の発言を巡って県議会との対立は続いていた=2023年7月13日

 川勝知事の辞職表明により、焦点は次期知事選に移る。長年対立してきた自民党県連は候補者擁立を加速させる。ただ、派閥パーティーの裏金問題を巡って支持率が低迷している実情もあり、「自民色」を前面に出さない選挙戦略を描く。野党は川勝知事と比較的良好な関係を築いてきたとされ、候補者擁立はこれから。各党の足並みがそろうかどうかも見通せない。
 自民は知事選で不戦敗を含めて川勝知事に4連敗中と苦杯をなめ、打倒川勝に並々ならぬ決意を見せてきた。昨年5月の県連大会では早期に知事選の対応を協議する方針を打ち出し、本県選出の国会議員や幹事長経験のあるベテラン県議らによる会合を二度にわたり開催。3月下旬の会合では候補者リストを共有した。ただ、関係者は「本県にゆかりのある官僚や政治家を並べたもの。候補者擁立はこれから」と明かす。
 県連内には自民への逆風から独自候補の擁立に慎重な意見が根強い。「理想は経済界や関係団体を巻き込んだ『オール静岡』体制」(幹部)との声も上がる。ただ、こうした動きは川勝知事の5選を視野に入れたもので、現職不出馬となれば情勢が一気に流動的になる可能性がある。
 これまで知事を支えてきた県議会第2会派のふじのくに県民クラブ内にも相次ぐ問題発言に「これ以上は支えきれない」との声がくすぶっていた。ただ、幹部にも事前に進退の相談はなかったとされ、候補者擁立はゼロからのスタートとなる。

■立民・渡辺周衆院議員「知事から後継打診」
 立憲民主党の渡辺周衆院議員(比例東海)は2日、川勝知事が辞職意向を表明する直前に知事本人から電話を受け、事実上の後継打診を受けたと明らかにした。取材に対し、「重く受け止めてはいる。いろいろな人と話をして、結論を出したい」との考えを示した。
 渡辺氏によると、知事からの連絡は同日午後5時半ごろ。知事はリニア問題に一つの区切りがついたといった趣旨の発言をした上で「私は辞めます。お世話になりました」と伝えてきたという。後継の打診について、渡辺氏は「機微に触れるのではっきりとは言えないが、それらしい話はあった」と認めた。
 渡辺氏は「リニア問題などを通じて悪化している静岡県のイメージを回復させたいとは思っている」とする一方、「国政で政治改革の議論に関わり、党務も多く抱えている。知事選に突然ハンドルを切れるかというと、物理的にはなかなか難しい」と説明。解散・総選挙の時期など今後の政治状況も見極めたいとした。

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