自動運転「レベル2」 移動サービス25年度に延期 静岡県、新車両導入

 静岡県は29日までに、自動運転車両による移動サービスの開始時期を、目標としていた2024年度から25年度に延期する方針を決めた。走行速度や乗車定員に関する利用者ニーズを踏まえ、新たな車両を導入して実証実験を重ねる。新たな工程表では、25年度に一部の操作をシステムが担う「レベル2」の一般向け運行を始め、27年度に5カ所以上へ拡大し、30年度には特定条件下で運転手がいなくても走行可能な「レベル4」を実現するとした。
県がまとめた自動運転サービスの工程表
 県建設政策課未来まちづくり室によると、新たに導入する車両はワゴン車タイプ。既存車両の最高時速19キロに対し、30キロ程度を想定する。乗車定員も現在の8人から10人程度に増える。24年度は県内3カ所程度で実証実験を実施する計画で、対象エリアやルートは今後決定する。
5段階の自動運転レベル
 県は19年度から県内の公道で実証実験を開始。住民の買い物支援や観光客の周遊を想定し、遠隔監視体制や道路状況の把握といった技術の高度化を図ってきた。レベル2のサービス実現に向けた技術的課題はほぼクリアしているものの、レベル4については路上駐車している車両の追い越しや緊急車両走行時の対応といった課題が残る。関係省庁と法令などに関する協議も必要とされ、実現にはなお時間を要する見込み。
 県内では、実用化を見据えた実証実験の動きが広がってきた。沼津市はJR沼津駅と沼津港を結ぶルートで安全性向上のためのノウハウを蓄積し、25年度の運行開始を目標に掲げる。
 県が23年8月に開催した自動運転の勉強会には県内35市町のうち約8割に当たる27市町が参加し、関心の高さをうかがわせた。公共交通機関の運転手不足が深刻化する中、自動運転は地域交通の維持策として期待される。県の担当者は「技術的な課題解決や資金面で市町を後押ししていく」と話す。
 (政治部・森田憲吾)

速さや広さ「性能向上を」 試乗者アンケート
 県は23年度に沼津市と掛川市、松崎町で自動運転実証実験を実施し、延べ556人が試乗した。アンケートでは「難易度の高いルートをうまく走れていた」「免許返納の後押しになる」といった肯定的な意見の一方、走行速度や広さなど車両性能の向上を求める声も目立った。
 県政世論調査では、自動運転に「関心がある」は62・8%で、「関心がない」の30・1%を上回った。県の実証実験については「知らない」が76・7%に上り、認知度向上が課題に浮かんだ。

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