行き交う色彩 「つながり」の物語 画家・岩科りかさん(静岡市駿河区)【表現者たち】

 リボンや水の流れ、タコの足―。さまざまな色、模様を帯びた曲線が100号、130号のキャンバスを縦横無尽に行き交う。アザラシや鳥、人間の子どもなど登場する生き物は、現実のものではないような表情。画家岩科りかさん(30)=静岡市駿河区=が描く油彩は、不思議な物語を連想させる。

「存在」「つながり」を主題に制作する岩科りかさん。「できるだけ色を入れてみたい」と模索する=3月上旬、静岡市駿河区の静南美術研究所(写真部・堀池和朗)
「存在」「つながり」を主題に制作する岩科りかさん。「できるだけ色を入れてみたい」と模索する=3月上旬、静岡市駿河区の静南美術研究所(写真部・堀池和朗)
「境界線の先へ1、2」
「境界線の先へ1、2」
「存在」「つながり」を主題に制作する岩科りかさん。「できるだけ色を入れてみたい」と模索する=3月上旬、静岡市駿河区の静南美術研究所(写真部・堀池和朗)
「境界線の先へ1、2」

 主題は「存在していること、つながっていること」。「私たちを取り巻くつながりは、気持ちのありようによってプラスにもマイナスにも働く」。縛られて裏目の行動に出てしまう時もあれば、支えられて前向きに、一緒に歩みたいと思う時も。「共存する気持ちを、混在した画面に表現したい」
 創作の現場は、中学2年の時から通う静南美術研究所(同区)。元倉庫の広いアトリエには、あちこちに学生や社会人が制作するキャンバスが置かれる。
 岩科さんにとって、絵画制作は当初「習い事」だった。周囲の大人たちが油彩の大作を年に数点仕上げ、全国規模の公募展への出品を目指す。大きな作品に囲まれて過ごす中で、「いつか本格的に描きたいという憧れが強くなった」。静岡大では美術教育を専攻。戦前に設立された美術団体「独立美術協会」の展覧会に学生時代から出品し、2020年に会友となった。
 昨年から市内の高校で非常勤講師として美術を教える。制作に没頭できる時間は週末に限られる。
 5年前に開いた個展は色数を絞り、モチーフのリアルさを追求していた。現在開催中の個展は一転して、色があふれる作品が並ぶ。「モチーフが複数の光に照らされているイメージ。できるだけ画面に色を入れたい。明暗、色の幅もうまくコントロールできたら」
 自分の中の不安や素直でいたい気持ち、周囲への感謝―。さまざまな感情をモチーフに投影し、試行錯誤を重ねる日々。「真摯[しんし]に向き合うと、『つながり』が次の『つながり』を呼ぶと思う。その連鎖を探りたい」
 (教育文化部・岡本妙)

 「岩科りか油彩画展―熱のありか2」は、静岡市葵区の「しずぎんギャラリー四季」で20日まで開催中。

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