たゆまぬ努力 地域照らす 第13回ふるさと貢献賞(静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団)


浜松東高(浜松市中央区) 地元と連携、活性化の力に photo03 「だるま市」で同校生徒と地元企業が開発した菓子「だるまんじゅう」を販売する生徒=浜松市中央区笠井町の福来寺
 浜松東高は1971年の開校以来、地元笠井地区と連携し、高齢化が進む同地区の活性化に貢献している。清掃ボランティアやこども園との交流などの地域行事に多くの生徒が参加。住民と顔の見える関係性を構築しながら、地域の身近な困りごとを解決しようと汗を流す。
 1月上旬には、同地区恒例の「だるま市」で同校生徒と地元企業が開発した菓子「だるまんじゅう」約120個を15分で完売した。「最初は不安だったが、想像していたよりも早く完売してうれしい」と喜んだのは生徒会長を務めていた3年の宮田綾之助さん(18)。「学校全体で大切にしてきた地域とのつながりを伝統として受け継いでもらいたい」と後輩に思いを託した。

印野小(御殿場市) 半世紀にわたり独自の野鳥愛護 photo03 野鳥の観察を行う児童ら=御殿場市印野
 御殿場市の印野小は、半世紀にわたり独自の野鳥愛護活動を続けている。3~6年生が総合的な学習の時間で富士山麓の豊かな自然に触れ、他者を思いやる心を育みながら地域の魅力や未来について考えている。
 5年生は付近の御胎内清宏園を活動場所に野鳥をテーマに学びを進める。日本野鳥の会東富士の協力で、学校や同園に巣箱や餌台を設けたり、観察の結果をまとめて発表したりするなど愛鳥活動を推進している。
 3年生は地産地消に理解を深め、4年生はナラ枯れ問題に触れながら植林を体験する。6年生は地区の魅力を生かした発展方法を考案するなど活動は多彩。原田利志美校長は「地域を愛し、発信してくれる子どもたちを育てたい」と話す。

稲取高(東伊豆町) 小学生の学習・運動支援 photo03 園児と交流するボランティア部員=東伊豆町の東伊豆認定こども園(写真の一部を加工しています)
 稲取高(東伊豆町)は文化部や運動部が地域の伝統文化の継承や、小学生の学習・運動支援に励んでいる。
 ボランティア部は夏休みに小学校に出向き、学習の個別指導に取り組む。認定こども園にも定期的に足を運び、保育士を手伝っている。2年の引地黎部長は「地域と関わることで活気づくりにつながる」と語る。
 日本三大つるし飾りにも数えられる伝統の「雛(ひな)のつるし飾り」の継承に努めているのは被服・食物部。住民の指導を受けて行事の飾り付けの制作に励むとともに、伝統食に着想を得た甘味の開発や、地域交流の「カフェ」も開いている。陸上部も小学生の運動会に向けてリレーの講座を開催した。

榛原高グローカル部(牧之原市) 地域課題、主体的に学ぶ photo03 地域住民とともに福祉についての課題を議論する生徒ら=牧之原市内
 榛原高グローカル部(牧之原市)は生徒が主体的に地域課題を学び、住民とともに解決策を考える活動に取り組む。高校生ならではの発想が地域の活性化につながっている。
 地域を知り、国際的な視野も育む探究活動として展開する。地域で開かれる福祉や多文化共生イベントに積極的に参画するほか、昨年度は御前崎市の港湾緑地「御前崎エコパーク」の賑わい創出にも力を入れ、マップ製作や生徒主催でワークショップを開催した。現在は牧之原市の農園と連携し、特産品を使った新商品の開発にも励んでいる。
 柏原悠人部長(17)は「地元がより好きになったし、探究することの大切さを今後も忘れないようにしたい」と話す。

浜松学芸高社会科学部地域調査班・地域創造コース(浜松市中央区) 地場産業の魅力、若者に photo03 注染浴衣の魅力を発信する生徒ら。ポスター作成やシャツの開発などに取り組む=浜松市中央区の浜松学芸高
 浜松市中央区の浜松学芸高の生徒たちは部活動と授業を通じて、地場産業の注染浴衣の魅力を若い世代に発信、継承するための多彩な活動を展開する。
 取り組み開始は2017年。地元企業と連携し、新作を身につけた生徒がモデルを務めるポスターを作成した。浴衣生地を活用したシャツも開発。学校と交渉して夏季の準制服として採用された。浴衣で歌や踊りを披露するアイドルユニットを結成し、各地のイベント会場で公演している。
 部長の宮司莉来さん(2年)は注染浴衣の魅力を「にじみやぼかしがあり、高級感がある」と語る。同じく部長の和田優月さん(2年)は「若い人が浴衣に触れる機会を増やすことが大切」と強調した。

北浜中太鼓部(浜松市浜名区) 力強い音色、地域の名物 photo03 演奏活動に向けて練習に励む部員=浜松市浜名区の北浜中
 2004年の創部以来、病院や高齢者施設、祭りなどでの演奏活動に取り組む。20年続く伝統は地域住民から親しまれ、部員たちが響かせる力強い太鼓の音色が元気を届けている。
 地元を盛り上げようと始めた活動は少しずつ評判を高め、年間40回以上行うこともあるという。毎年演奏を行っている祭りの関係者からは「今年もよろしく」と声をかけられ、近所の介護施設から半年以上先の依頼を受けるなど、地域の名物として定着している。
 部の伝統を守り続けるため、一回一回の演奏に全力を注ぐ。部長の程萌恵さん(14)は「見た人が笑顔になるような演奏が目標。地域の皆さんの期待に応えられるようにこれからも頑張りたい」と力を込める。

新居高(湖西市) 遠州灘海岸の清掃40年以上 photo03 遠州灘海岸でごみを拾う新居高の生徒=湖西市新居町
 新居高は毎年、学校行事の一環で全校生徒と職員が遠州灘海岸の清掃活動に取り組む。少なくとも40年以上続いてきた伝統行事。身近な海岸でのごみ拾いを通じ、地域貢献と環境問題を考える機会としている。
 2023年は9月19日に総勢約400人で実施。生徒会を中心に1人1キロの目標を掲げ、幅約2・5キロの範囲を分担してペットボトルや釣り具などのごみ約400キロを集めた。生徒会で後期会長を務めた片岡実柚さん(17)は「生徒が楽しみながら地域に貢献できる機会」と手応えを語る。前期会長の神尾琉奈さん(17)も「個人が軽い気持ちで捨てたごみが重なって大きな量になることを、ひとごとにせず意識する必要があると感じた」と振り返った。

白ふじ蛍の会(藤枝市) ホタル楽しめる環境保全 photo03 児童と共にホタルの幼虫の生育状況を確認する会員=藤枝市立葉梨西北小
 藤枝市葉梨西北地区の住民有志でつくる「白ふじ蛍の会」は、2007年からホタルを楽しめる地域の環境保全活動に取り組んでいる。地元の葉梨西北小の児童にホタルの飼育方法を指導しながら、豊かな自然を守る大切さを伝える。
 ホタルは5月下旬~6月上旬、同校近くから同市北方の葉梨西北活性化施設「白ふじの里」まで約1・5キロの葉梨川を飛び回る。会員は児童と共に、ふ化した幼虫の生育状況の確認や水槽の清掃、放流などの作業を独学で行っている。
 同会の海野一博会長(69)は「年々、台風の影響でホタルの数は減っているが、子どもたちに古里への愛着と思い出を深めてもらうためにも続けていきたい」と思いを語った。

加茂育成会(磐田市) 世代超え防災意識向上 photo03 餅つきを楽しむ住民たち=磐田市加茂
 磐田市加茂地区で、地域の発表会や祭り、救急救命講座などを開く住民団体「加茂育成会」。住民の交流や世代を超えたつながりを築くとともに、地区全体で防災意識を高めている。
 約40年前に設立した同会は、30~70代までの約30人のほか、地元の中学生約70人が所属している。中学生交流会では、生徒自らがバスツアーなどのイベントを考案。消防職員を招いた救急救命講座では、心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)の使い方を学んだ。
 1月の新年行事では約150人が集結。餅つきを楽しみ、イチゴ大福や豚汁を作って味わった。同会の市川雄一常任相談役(70)は「中学生に地域を知ってもらい、好きになってほしい。有事の際には、住民同士で助け合えるような環境をつくりたい」と話した。

与進北小図書ボランティア(浜松市中央区) 児童の想像力、感性育む photo03 読み聞かせを行う田光代表=浜松市中央区の与進北小
 浜松市中央区の与進北小図書ボランティアは児童の想像力や感性などを育むことを目的に、月2回の読み聞かせ活動を2000年から続けている。
 在校生の保護者らを中心に約30人で組織し、季節行事や世界平和が題材の絵本を選ぶなど、学びの場としての役割も果たす。コロナ禍を経て、昨年から勉強会を再開。ページをめくるタイミングや読み方の間合いなど細部までこだわり、空気づくりを大切にする。
 気持ちよく読書を楽しんでもらうため、本の修繕にも定期的に取り組む。2人の子どもが通う田光里美代表は「学校生活の雰囲気を肌で感じられるのもメリットの一つ。絵本選びや子どもたちの反応が毎回楽しい」と笑顔を見せる。

浜北の健康をささえる会「すこやか」(浜松市浜名区) 心と体の健康増進へ注力 photo03 定例会で活動方針などを議論する浜北の健康をささえる会「すこやか」の会員=浜松市浜名区
 60~90代の会員14人が旧浜松市浜北区(現浜名区)周辺の高齢者の集まりなどを訪問し、体操やレクリエーション活動を展開している。「心と体の健康づくり」をテーマに市民の健康意識の向上へ注力する。
 2000年に旧浜北市の保健活動推進委員らで発足した。月に2回の定例会では活動方針などを議論し、市職員らに健康に関する情報も聞き取る。23年は同区で行われた産業祭で保健師らの健康測定を手伝った。年末には地元の協働センターなどで高齢者が紙粘土で24年のえとの辰(たつ)を作るのを指導し、親睦を深めるのに一役買った。
 岡本正枝会長(76)は「催しの参加者が元気になると、自分たちもうれしくなる」とやりがいを語る。

ラブ・ジ・アース実行委員会(東京都) ライダー、清掃活動に汗 photo03 海岸清掃に励む参加者ら=牧之原市内
 全国のバイク愛好家で組織する「ラブ・ジ・アース」(東京都)は団体発足以来、県内や全国各地で海岸清掃に取り組んでいる。ライダーのマナーやモラル向上についても積極的に情報を発信し、バイク文化のイメージアップに一役買っている。
 ライダーだからこそ感じる自然への感謝の思いを還元しようと、2002年に都内のバイク雑誌が主体となって始めた。県内ではこれまでに牧之原市や浜松市などで海岸清掃イベントを計19回開催した。会場では参加者の交流を深めるイベントを実施し、活動の輪の拡大に励んでいる。
 斎藤健一会長(43)は「ライダーとともに環境保護活動や地域振興などで今後も社会に貢献していきたい」と意気込む。

西豊田小園芸ボランティア(静岡市駿河区) 四季の草花、児童に憩い photo03 草花の手入れに取り組む会員=静岡市駿河区の西豊田小
 静岡市駿河区の西豊田小園芸ボランティアは、同校内の花壇の整備に取り組んでいる。四季折々の草花を絶やさず、児童が自然を身近に感じられる環境づくりに貢献している。
 2010年に発足。現在は地域住民ら16人が所属し、週に1回3時間ほど活動する。草花の手入れのほか、花壇内に廃材を活用した小道を造るなど児童に憩いの場を提供している。
 ボランティアのため「できる時にできるだけ」がモットー。負担にならないように活動は強制していないが、多くの会員が積極的に参加しているという。杉山金治会長(82)は「校外でも声をかけてくれる子がいてうれしい。花を愛する気持ちが児童の心にも育まれれば」と期待した。

池谷信子さん(島田市) 不登校児と親を長年援助
 島田市で不登校児と親を援助するための施設「もみの木学級」を設立しました。フリースクールとして長年継続し、育児相談やカウンセラー養成の功績も受賞につながりました。

 <メモ>ふるさと貢献賞 地域づくりに寄与することを目的にした「ふるさと貢献賞」は、静岡新聞・静岡放送の「善行賞」と「あすなろ賞」の流れをくみ、2012年度に「公益財団法人 静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団」が設立されたのを契機に生まれました。受賞した皆さまの長年の活動、前進を続ける意欲をたたえ、次に続く方々にエールを送りたいとの願いを込めています。

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