冬を告げる「潮かつお」ずらり 西伊豆で生産最盛期
西伊豆町田子地区の伝統保存食「潮かつお」の生産が最盛期を迎えている。1882(明治15)年創業の老舗「カネサ鰹節商店」では20日、塩漬けにしたカツオを軒下の竹ざおにつるす作業が行われた。カツオが連なって干される様子が、冬の訪れを告げる風物詩となっている。

昔ながらの製法を続ける同店では、カツオをおよそ10日間塩漬けし、伊豆西海岸の強い西風にさらして2~3週間乾燥させる。
かつては全国で生産されていたが、現在は同地区の3軒が製造するのみとなった。「正月魚(しょうがつよ)」とも呼ばれる新年の縁起物で、乾燥させてからわらで飾り付け、豊漁や豊作を願って玄関や神棚につるした後に味わう。
同店は12月上旬から約400本を出荷する見込み。大きさは40~50センチほどと昨年よりも小ぶり。出荷量は例年並みという。芹沢安久副代表(55)は「最近は幸先よく西風が吹き始めた。このまま気温が下がってくれたら順調に出荷できる」と話した。