大自在(11月21日)野球しようぜ!

 米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が日本ハム最後の年となった2017年。山本由伸投手が高卒でオリックスに入団した。
 山本投手は新人時代、日本ハム戦に1試合だけ登板している。大谷選手に安打を許したが、三振も奪うなど才能の一端をのぞかせた。大谷選手は渡米前、「今年対戦した投手で一番よかった」と語ったそうだ。
 投打「二刀流」で2度目のアメリカン・リーグMVPを受賞した大谷選手と、3年連続沢村賞に輝いた山本投手。2人がどのチームに行くのかは、大リーグの今オフ最大の話題。山本投手の契約交渉がいよいよ始まる。
 1年目のオフに当時DeNAの筒香嘉智選手らと行った合同トレーニングを機に投球フォームを見直し、球界トップへと上り詰めた。「僕は本当に負けず嫌いなので、一番いいボールを投げたい」。山本投手が米大リーグを目指す理由を「山本由伸 常識を変える投球術」(中島大輔著、新潮社)から引いた。
 子どもたちにも背中を押された。山本投手が2年目に訪れた中南米のドミニカ共和国はWBC優勝経験もある野球大国。目を輝かせプレーを楽しむ現地の少年。スポーツの原点を思い出し、世界への意識が高まったという。
 少子化の影響もあり、野球人口の減少が言われて久しい。大谷選手は、日本国内の小学校約2万校にグラブを計6万個寄贈するという。競技振興を願ってのことだ。海の向こうで日本を代表する2人が対戦すれば、それこそ夢を与えるだろう。子どもたちから「野球しようぜ!」の声も聞こえてくるはず。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞