ヤングケアラー理解目指し冊子 地域全体で支援へ 静岡市・川原地区社協が作成
静岡市駿河区の川原地区社会福祉協議会はこのほど、ヤングケアラーへの理解を深めるオリジナル冊子を作成した。地域でボランティア活動に取り組む人たちに配布し、地区全体でヤングケアラーへの支援に取り組む意識醸成を図る。仁科寛治会長(75)は「できる人ができる時にできることをやるというのが(同社協の)モットー。難しく考えずに、子どものために地域で支え合いたい」と話している。

冊子の作成に携わったのは同協議会の長島明子副会長(61)ら5人。同地区では少子高齢化や核家族化が進み、2022年に子供会が解散するなど、地域と子ども、家庭同士のつながりが薄れてきていると感じていた。そんな中、「ヤングケアラー」という言葉がメディアで紹介される機会が増え、長島さんたちは「川原地区にもヤングケアラーがいるかもしれない。でも、子どもが気軽に相談できる大人は周りにいるだろうか」との思いを抱くようになったという。
冊子は、大人がヤングケアラーについて正しい知識を持つことが重要だとして作成に至った。市の協力を得て情報収集し、定義や現状、地域や学校で気にするべき子どものサインをA4判12ページにまとめた。
同協議会は、冊子を活用して地域住民を対象に研修会を開き、大人のヤングケアラーへの理解促進を図っていく。長島さんは「子どもが大人に話しやすい環境をつくることが大切。地域で何ができるか、考えていきたい」と話した。
(政治部・池谷遥子)