パラ空手で全国V 湖西の冨浦さん 働きながら稽古10年、市長に喜び報告

 8月の第19回全日本パラ空手道競技大会(全日本空手道連盟主催)で聴覚障害の部に出場した会社員冨浦真一さん(45)=湖西市鷲津=がこのほど、市役所に影山剛士市長を訪問し、40歳以上の形での優勝と、40~65歳の組手での準優勝を報告した。スズキ湖西工場で働く傍ら、10年ほど前から浜松市の道場で空手を習っている。今年、念願の黒帯取得と初の全国大会での優勝という目標を達成した。

全国大会初優勝の経験を振り返った冨浦さん=湖西市役所
全国大会初優勝の経験を振り返った冨浦さん=湖西市役所

 大会は障害と年代ごとに部門が分かれ、冨浦さんの出場部門は形に6人、組手に3人が出場した。組手の試合で手を骨折したため、回復を待って影山市長への報告に訪れた。
 冨浦さんは宮崎県出身。高校生の時にブルース・リーのポスターを見て武道に憧れを抱き、就職で湖西に移住してから空手の道場を探した。指導を断られる経験もしながら、約10年前に浜松市武道館で活動する杉浦錬成塾に入会。仕事の合間を縫って稽古を重ね、今年6月には3度目の挑戦で黒帯を獲得した。
 普段は主に手話を使う冨浦さんだが、稽古には手話通訳者を伴わず一人で通い、身ぶりなどでコミュニケーションを取りながら周囲の様子を観察して練習している。中には手話を覚えてくれる仲間もいるという。冨浦さんは「仕事との両立は体力的に大変だが続けてこられた。組手の準優勝は悔しかったので、次は優勝を目指したい」と意気込んだ。
 (湖西支局・杉崎素子)

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