「自転車のまち」可能性探る 富士で社会実験始まる 渋滞緩和、観光消費効果を検証
富士市が渋滞緩和などまちの課題解決に向けて自転車利用の可能性を探る社会実験の開始式が2日、同市の道の駅「富士川楽座」で開かれた。11月まで約3カ月にわたり、自転車の貸し出し促進や観光利用などの取り組みを実践する。

行政と自転車の関連企業、観光団体など官民でつくる実行委員会が、国の事業採択を受けて準備を進めてきた。市民や来訪者にさまざまな場面で自転車を利用してもらい、交通施策や自然環境、観光消費など各方面での効果を検証する。
事業は、富士川楽座など市内3カ所のレンタサイクルで増車するなど体制を強化してスタート。10月にはJR富士駅と新富士駅間を移動するコネクトサイクルを実施する。11月には岳南電車(通称・岳鉄)内に自転車を持ち込むことができるサイクルトレインを行うほか、モデルコースを使ったモニターツアーを開く。
開始式では小長井義正市長が「自転車はSDGsの達成にも寄与する。事業が富士の未来像を示す新たな一歩になることを期待している」とあいさつ。同市の自転車チーム「レバンテフジ静岡」の関係者や一般の市民らが自転車で市内へと出発した。