鹿児島で全国高校総合文化祭 静岡県から350人、18部門で健闘
文化部のインターハイと呼ばれる第47回全国高校総合文化祭が7月29日から8月4日まで、鹿児島県内で開かれ、全国の生徒が22部門で日頃の成果を披露した。県内からは18部門に約350人が参加。小倉百人一首かるたや自然科学、将棋などで健闘が光った。(教育文化部・鈴木明芽、橋爪充、鈴木美晴)
百人一首かるた 本県 2年連続準V 漫画「ちはやふる」の人気や各地のかるた会の影響で全体的にレベルが上がっている小倉百人一首かるた競技の部は、本県チームが2年連続で準優勝した。チームは浜松西、静岡東、静岡雙葉、富士、沼津東の5校から選抜された男女8人で構成。複数校の生徒が集まるため事前に練習会を開き、互いのプレーを確認したり社会人から指導を受けたりして、全国の強豪チームへの対処法を練った。
本番では格上相手に最後まで粘り強く戦い、予選リーグと決勝トーナメントの計6試合のうち、3試合を3対2で競り勝った。主将の沢村夢菜さん(浜松西2年)は「準優勝はうれしいが、決勝の東京戦で1本、勝ちを取りたかった」と悔しさもにじませた。
自然科 学科学技術(物理)、磐田南(地学)優秀賞 自然科学は物理分野で科学技術、地学分野で磐田南がそれぞれ優秀賞、化学分野で科学技術が奨励賞を得た。
初めて2分野での入賞を果たした科学技術の自然科学部は、1年の時にテーマを設定し、3年まで研究を続ける。優秀賞を受けたのはプラスチックコップとアルミ箔[はく]で作る「静電気コップ」に水を入れた場合について、静電気がたまる仕組みの研究。飯塚友也さんら3年生4人が実験データをまとめた。飯塚さんは「毎日データを取り整理するのは大変だったが、この後どうなるだろうとみんなで話しながら続けられた」と充実した表情を見せた。
奨励賞は、マンガン電池の回復力に関する発表で、アニメなどを用いて分かりやすく解説した。顧問の谷口裕美枝教諭は「テーマの設定はもちろんだが、毎日実験を繰り返すためチーム力も重要。生徒の努力が評価されて良かった」と話した。
磐田南は、遠州灘で採取した軽石を分析し、2021年に小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火によって漂着した軽石とそのほかの軽石を比較した研究が評価された。
将棋 佐々木さん(日大三島)準V 将棋では女子個人戦で佐々木香歩さん(日大三島2年)が準優勝した。予選を3勝1敗で勝ち抜き、決勝トーナメントに進んだ。「決勝まで行けたが、逆転勝ちが多く、全体的に内容はあまり良くなかった」と総括し、「来年は優勝を」と言葉に力を込めた。
男子個人戦は木下颯さん(浜松学芸3年)が第3位。準決勝は僅差で敗れたものの、「どんな局面でもあきらめなかった」と手応えを得た。今年は大学受験に向けて対局を減らしている。「将棋の腕は簡単には落ちない。大学生になったらもっと上を目指す」と宣言した。
女子団体戦は富士見が3位に入った。
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このほか、新聞は昨年秋までの1年間に作った新聞を審査する全国高校新聞年間紙面審査賞で、韮山の写真報道探究部が優秀賞を獲得した。同部の入賞は6年連続。書道では大野未鈴さん(浜松学芸3年)と是村帆香さん(市立沼津3年)が特別賞、放送の朗読で土屋奈織子さん(下田3年)が審査員特別賞を受賞した。