デンマーク企業買収 浜松ホトニクス、再申請へ 社長が方針
浜松ホトニクスの丸野正社長は30日、デンマークのレーザー装置メーカーNKTフォトニクスの株式取得申請を同国政府が安全保障を理由に却下したことに対し、再申請に向けて準備を進めていると明らかにした。本社工場(浜松市東区)で開いた新棟建設の地鎮祭後に取材に応じた。
再申請の時期については「準備はかなり進んでいる。近々にしたい」とした。浜ホトは3月末にベルギー子会社を通じてNKTの全株式を約2億5百万ユーロで取得予定だったが、5月に申請却下の通知を受け、情報収集を進めてきた。
丸野社長はデンマーク政府から直接の情報収集はできていない一方、同国政財界で「友好国の日本との買収案件を却下すれば国内への投資が滞る」などの懸念から議論が起きていることを明らかにした。「申請の方向性を若干修正し、デンマーク政府が危惧するであろう部分を取り除いて再申請する方向で動いている」と語った。
NKTはレーザー光を増幅する独自技術があり、浜ホトは自社のレーザー光源技術と合わせることでレーザー事業の拡大を見据えている。