医療機器用蓄電池 湖西市が2台導入 停電時の生命維持に備え
湖西市の影山剛士市長は22日の定例会見で、停電時に人工呼吸器や酸素濃縮器などを使う医療的ケア児者を支援するため、医療機器用リチウムイオン蓄電池2台(726万円相当)を導入したと発表した。停電時に福祉避難所などに運び、生命維持装置に電力を供給する。市によると、地方自治体による医療機器用蓄電池の導入は全国初という。

導入したのは、医療機器用電源を製造するナユタ(浜松市東区)の蓄電装置。消費電力100ワットの人工呼吸器を33時間連続で使用できる。同製品は電磁波の影響や漏電のリスクが低く、国内で初めて医療機器用の規格を取得した。停電が長時間に及ぶ場合には、湖西市の電気自動車から蓄電池に給電する。
市によると、過去には停電の発生で、医療的ケア児者の家族が手動の人工呼吸器を一晩中動かし続け、命をつないだ事例もあるという。影山市長は会見で「停電時に命に関わるリスクを減らしたい」と述べ、将来的には増設も目指す姿勢を示した。