線状降水帯、静岡県各地で冠水 台風2号で3市「緊急安全確保」【動画あり】

 活発な梅雨前線と台風2号の影響で静岡県内は2日、全域で激しい雨が降り、各地で土砂災害や道路の冠水、交通機関の乱れが発生した。静岡地方気象台は、県内では昨年9月の台風15号以来2例目となる線状降水帯の発生を県中部と西部に発表した。沼津、袋井、磐田の3市は、河川氾濫の危険性が高まったとして、5段階の警戒レベルのうち最も災害の危険度が高い「緊急安全確保」を一部地域に発令した。雨は3日朝にかけて続くとみられ、土砂災害や河川の氾濫に厳重な警戒が必要。

台風2号の影響による大雨で冠水した道路=2日午後8時半ごろ、静岡市清水区
台風2号の影響による大雨で冠水した道路=2日午後8時半ごろ、静岡市清水区
土砂崩れが発生し、店舗が倒壊した現場=2日午後8時半ごろ、浜松市西区舘山寺町
土砂崩れが発生し、店舗が倒壊した現場=2日午後8時半ごろ、浜松市西区舘山寺町
台風2号の影響による大雨で冠水した道路=2日午後8時半ごろ、静岡市清水区
土砂崩れが発生し、店舗が倒壊した現場=2日午後8時半ごろ、浜松市西区舘山寺町

 気象台によると、1日午後10時の降り始めから2日午後5時までの雨量は、伊豆市天城山で332・5ミリ、藤枝市高根山で313ミリ、浜松市天竜区春野で301・5ミリに達した。24時間雨量では午後6時半現在、浜松市天竜区船明で319・5ミリ、同市北区三ケ日で288・5ミリと観測史上最大となったほか、森町など11地点で6月の観測史上最大を更新した。気象台と県は25以上の地域に土砂災害警戒情報を発表した。
 磐田市や県などによると、同市の敷地川が決壊し、住宅の浸水被害が出ているもよう。袋井市の大谷川や沼津市の黄瀬川などでも水位が上昇している。きせがわ病院(沼津市)では1階が浸水した。1階は通所サービスのスペースだったが、浸水時に利用者はいなかった。3市は周辺地域に緊急安全確保を発し、身の安全の確保を呼びかけた。
 静岡市や浜松市、湖西市など10以上の市町で避難指示が出されている。
 浜松市西区舘山寺町では土砂崩れによって店舗が押しつぶされた。浜松西署によると、けが人はいない。静岡市清水区などで道路が冠水し、車の立ち往生が発生したほか、掛川市や藤枝市では崖崩れや護岸崩壊による通行止めがあった。
 鉄道や航空便は運休や欠航が相次いだ。JR東海によると、東海道新幹線は一時全線で運転を見合わせ、東京-名古屋間は運転を取りやめた。東海道線は午後4時以降、熱海-豊橋間を運休した。大井川鉄道も大井川本線の運転を見合わせ、井川線を午後から運休した。天竜浜名湖鉄道も午後3時以降、全線で運休した。新東名高速道と東名高速道は一部区間で通行止めとなった。静岡空港発着便はフジドリームエアラインズ(FDA)の国内線12便が欠航した。
 気象台によると、県内は3日朝まで、1時間雨量が40~50ミリとなる地域がある予想。3日午後6時までの24時間雨量は多い所で250ミリを見込んでいる。
(動画は市民提供)

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